16/10/07 13:53:03.44
★中国人エリートが東大留学する本当の理由
中島 恵 [フリージャーナリスト] 2016年10月6日 著者・コラム紹介バックナンバー
近年、日本の東京大学を目指す中国人エリートが絶えない。
なぜ、中国人エリート層はわざわざ海を渡り、東大への留学を目指すのか。
実際に、東大で学んでいる中国人留学生たちにインタビューを重ねると、
意外な本音が明らかになってきた。(ジャーナリスト 中島 恵)
■自分の経歴を表に出したくない
■東大留学中の中国人女子学生
「私、中国ですべての志望校に落ちてしまって……。中国の大学入試の当日、
風邪で熱があって意識朦朧としていたんです。結果は……惨敗でした……。
それで意にそぐわない無名の大学に入学したんですけど、ずっと後悔していたんです」
東京大学本郷キャンパス内のカフェで、うつむき加減でこう語り出す26歳の中国人大学院生―。
今年5月、東大に留学中の中国人を探していたとき、知り合いの紹介でたまたまこの女子学生と
出会ったのだが、最初に彼女から“条件”をつけられた。それは、現在の研究科や指導教授名、
中国の出身大学名などの詳細を記事に書かないこと。
なぜかというと、あまり自分の経歴を表に出したくない理由があるからだ。
「自分の学歴がずっとコンプレックスだったんです。北京にあるその無名大学に通うようになって、
性格も暗くなって、高校時代の友人ともあまりつき合わなくなりました。このまま私は三流の
人生を歩むのかしら……って思って悲しんでいたとき、大学で日本人の先生と出会いました。
その先生の影響で日本に憧れるようになり、日本留学をして“人生をリベンジしたい”と
考えるようになったんです」
中国では浪人は一般的ではない。その頃は海外留学も現実的には考えられなかったので、
挫折感を味わいながら悶々と過ごしていたが、あるとき、学会で北京にきていた東大の教授と
偶然知り合う機会があった。その教授に頼み込み、なんとかして、まず研究生として東大に
入ることはできないか、と頼み込んだ。結果、来日することができ、一心不乱に勉強して、
東大大学院修士課程(文系)に入学することができた。
彼女は目を輝かせて言う。
「今は晴れ晴れとした気持ちですね。東大以外の日本人に会えば『すごい。勉強ができるんですね』
と尊敬のまなざしを向けられるし、中国に帰ったら帰ったで、中国人からの『日本の東大に留学して
いるなんてすごい。天才!』とおだてられ、誇らしげな気持ちになります。とてもうれしいし、
自分が生まれ変わったような気持ちになります」
URLリンク(diamond.jp)
■第1志望に落ちるという苦い経験が
■東大進学のきっかけになった
もうひとり、理系の中国人大学院生の声も聞いた。その女性もまた、中国の大学入試で
第1志望に落ちるという苦い経験が、東大進学のきっかけとなった。
しぶしぶ進学した大学での専攻が思いのほか、面白く、「もっと勉強したい」という意欲を
掻き立てられた。その分野で最も進んだ研究をしていたのが東大の教授で、
教授のホームページにあるメールアドレスを見て、アタックしたのだ。決め手は「教授の研究
内容が自分と合っていること、東大は日本でトップの大学であること、中国政府の奨学金が
最大4年間受給できること」の3点だったという。
私はこのほど発売した拙著『中国人エリートは日本をめざす 東大はなぜ中国人だらけなのか?』の
取材のため、東大に留学する多数の中国人にインタビューする機会があったが、彼女たちのように、
日本留学を「人生リベンジの場」、「起死回生の場」、「一発逆転の場」として捉えている留学生が
非常に多いことを初めて知った。
中でも日本一の大学、東大に入学することは中国人にとっても大きな夢だ。
日本には「学歴ロンダリング」という言葉があり、最初に入った大学がイマイチでも、
編入してもっと偏差値の高い大学に入り直したり、有名な大学院に入れば、最終学歴は
高くなるというケースがあるが、中国人の場合、国内では編入という制度はなく、国内で一流の
大学院に行っても、日本よりも競争率が激しいので、必ずしもよい就職口があるわけではない。
彼らは欧米留学も含めて、海外に留学することによって初めて「学歴ロンダリング」が可能になるし、
他の人よりも抜きん出て、ステップアップできる、と考えている。(以下リンク先で読んでください)
URLリンク(diamond.jp)