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★新国立競技場、築地市場に続く“第3の移転問題”不可解な都立広尾病院移転計画
(更新 2016/9/20 07:00)
新国立競技場、築地市場に続き“第3の移転問題”が本誌の取材でわかった。
東京都立広尾病院で移転計画が突如、持ち上がり、3月に用地買収の予算370億円が計上された。
だが、現場の医師らは「経過が不透明」と猛反発。疑惑の“核心”には前都知事の独断があった。
小池百合子新東京都知事が築地市場移転の延期を表明した8月31日、都庁の第一本庁舎25階の
114会議室では医療専門家ら約15人が集められていた。会議の名称は「第1回首都災害医療センター
(仮称)基本構想検討委員会」。
だが、2時間にも及んだ論議の中で、首都災害医療センター構想についてほとんど言及されぬまま、
会議は途中から紛糾。出席者が口々に疑問を呈したのは、今年3月に370億円もの用地買収の
予算がついた広尾病院(渋谷区)の移転計画の不透明さだった。
同席した都の病院経営本部幹部によると、医師会幹部を含む医師らが堰を切ったように
「なぜ、広尾病院を青山へ移転する必要があるのか」「なぜ、事前に私たち医師には知らされなかったのか」
「新しい病院の基本構想を話し合うより、まず不透明な経緯をきちんと説明してほしい」と相次いで意見を述べたのだ。
「広尾病院の移転計画は、これまでメディアでほとんど報じられていません。ですが、築地市場の豊洲移転問題と
根っこは同じです。都は昨夏、広尾病院を現地で改築する方向で動いていたのに、秋に急きょ、2023年に移転
すると方針転換。1月には16年度予算原案に用地買収費として370億円を強引にねじ込んだ。築地移転に続く、
第2の爆弾となる可能性がある」(東京都の病院経営者)
本誌が入手した内部資料などによると、昨年5月、都はみずほ情報総研に「広尾病院の改修・改築のあり方に
関する調査業務」を業務委託。その結果は「現地改築が合理的」という意見だったという。
ところが、5カ月後の10月、今度は伊藤喜三郎建築研究所に「広尾病院整備に係る調査業務」を委託。
その内容は「改築の実現性を検討するとともに、他の候補地への移転可能性についても検討し、
基本構想を策定する」と変貌していた。
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2度目の調査と時期を同じくして、恵比寿にある広尾病院の移転先として青山が浮上していた。
「昨秋、都の財務局から、『広尾病院を、青山の“こどもの城”跡地に移転させようと思うから、
可能性を検討してほしい』という話が突然、持ち込まれました。都の予算というのは、9月頃までには
固まりますが、8月末の時点では移転話はなく、改築でいこうという雰囲気で用地の予算も上げていなかった」(都幹部)
この“空白の1カ月”に一体、何があったのか。
「最後は舛添要一前都知事のトップダウンで青山への移転が決まり、慌てて予算案を作りました」(同)
16年1月19日には日刊建設工業新聞が、伊藤喜三郎建築研究所が都から受託した調査で、
広尾病院の現在地建て替えは困難、移転改築の必要ありとの結論に至ったと報道。
2月から開かれた都議会の予算審議では、広尾病院の問題に関しては、自民党都議ら3人から
概略についての質問が出ただけで、予算案は3月25日にシャンシャンと可決された。
都政に詳しいコンサルタントはこう話す。
「都議会でろくろく質問が出なかったのは、病院問題に詳しい人が少ないから。また、条例がらみだと都議も
放っておきませんが、条例のからまない予算だと、スルーされがち。都としては、そんなこともお見通しだったのでしょう。
今年1月に予算案を出さないといけないから、昨年10月にアリバイ的に調査を別の会社に出し、お墨つきをもらった
上で予算を急いで通したのではないか。まさに“伏魔殿”と呼ばれる都庁の体質の問題だと思います」
都の病院経営本部関係者によると、青山移転の話は、広尾病院で働く医師ら医療スタッフにとっても
寝耳に水だったようだ。(以下リンク先で読んでください)
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