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★訪日客狙いで関心高いが…危ない中国スマホ決済サービス
2016年8月27日
中国のスマホを使った電子決済サービスがじりじりと日本に押し寄せている。
背景にあるのは訪日中国人の増加。中国ではスマホ決済が年内にも10兆元(約160兆円)
規模になるとされ、日本でも訪日中国人客を狙う大規模小売店を中心に導入が進んでいるのだ。
アリババ集団の「アリペイ」やチャットアプリの「ウィーチャットペイ」などの第三者決済
サービスは中国市場で圧倒的なシェアを握り、日本でもソフトバンクやリクルートライフ
スタイルなどがこれらと提携し、加盟店開拓を行っている。
しかし、この中国式サービスには主に2つの盲点がある。まずは「消費者保護」。
中国でこれら第三者決済サービスが本格的に動き出したのは今からたった3年前のことで、
業界ルールも法律もほとんど未整備の状態にある。例えば「アリペイ」の電子マネーは
ネット通販から始まったため、つい最近まで実名での登録を行わなくてもよかった。
そのため、中国では第三者が本人になりすまして高額消費を行ったり、
個人情報を盗んで不正に資金を得るなどの社会問題が深刻化している。
世界標準のICチップ式ではなく、QRコードを読み取る方式なのも懸念材料だ。
「ICチップ搭載にはコストがかかる」(中国の銀行管理職)ため、中国ではQRコード式が
一般的だが、ICチップなら可能な偽造防止や紛失対応の機能がない。ましてや中国中央銀行は
こうしたQRコードによるサービスの海外展開についてOKを出したことがない。
もうひとつの盲点は「マネーロンダリング」の恐れだ。「アリペイ」などのサービスは
「銀行口座に紐づいていることから基本的には口座に入っている分だけ使える」という
銀聯カードに近いサービスだが、そもそもこれが認可された金融機関は中国銀聯だけだ。
にもかかわらず、国外での中国スマホ決済の利用を野放しにすれば、高額の時計や宝石を購入し、
これを買い取らせるなどして換金するマネロンに使われてしまう可能性がある。
ちなみに日本でもauウォレットなどのスマホ決済サービスがあるが、マネロンを避けるため
銀行口座とはリンクさせず、最大10万円までしかチャージできないなど制限を加えている。
クロスボーダーの動きの中で、“中国式ビジネス”の拡大は加速する。知らず知らずのうちに
日本企業はそれに連座させられているから怖い。フィンテックばやりのこの頃だが、
“シャドーバンキング”まがいのビジネス上陸には用心が必要だ。(ジャーナリスト・姫田小夏)
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