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★<諏訪大社「御柱祭」>特別抗告該当せず 中止申し立て棄却
毎日新聞 7月23日(土)7時0分配信
長野県・諏訪大社の「御柱(おんばしら)祭」での転落死事故を受け、
祭りの事実上の中止を命ずる仮処分の申し立てに対し、最高裁は
「特別抗告の事由に該当しない」として棄却した。決定は7月15日付で、
申し立てた箱山由実子弁護士=東京都北区=は「国民が国家に対して
生命尊重を求める権利があるのかないのかを、最高裁として判断を出して
もらいたかっただけに、棄却理由に明記がないのは残念だ」と話している。
6年ごとに開催される祭りではほぼ毎回事故死者が出ており、今年も5月5日に
大木を垂直に立てる「建て御柱」で、高さ15メートルの木の上部から氏子の男性
(当時41歳)が転落死した。箱山弁護士は、祭りの度にけが人や死者が出るのは
人命軽視に当たるとして、安全対策が講じられるまで境内の使用を禁じる仮処分を
長野地裁諏訪支部に申し立てた。
諏訪支部は「申立人(箱山弁護士)には仮処分で守られるべき権利はない」など
として却下、即時抗告を受けた東京高裁も棄却した。このため、「生命や自由、
幸福追求に対する国民の権利を尊重するとする憲法13条から導かれる『国家に対して
生命尊重を求める権利』が国民にあり、犠牲者が相次ぐ祭りの中止を求める」--
などとして、5月16日に最高裁に特別抗告していた。
最高裁決定は、棄却理由について「違憲を言うが、実質は単なる法令違反を
主張するもので特別抗告の事由に該当しない」とした。転落死事故を巡っては、
箱山弁護士らが諏訪大社宮司を業務上過失致死容疑で告発、県警諏訪署が
捜査している。
御柱祭は、氏子らを乗せた大木が急な坂を下る「木落(きおと)し」や、人が乗ったまま
木を垂直に立てる「建て御柱」が人気で、今年は4月2日から5月16日までの間の
12日間で約186万人が見物している。ただ、この半世紀近くでも1968、74、80、
86、92、2010年に死亡事故が起きている。【照山哲史/デジタル報道センター】
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