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★「元米兵」が殺人事件、メディアは沖縄の真実を伝えているか
降旗 学 [ノンフィクションライター] 【第168回】 2016年7月16日
参院選が終わった途端、ワイドショーは都知事選の話題で喧しいが、選挙区で当選した真山勇一
(元日本テレビ・神奈川)、同じく杉尾秀哉(元TBS・長野)、そして、同日の鹿児島県知事に
初当選した三反園訓(元テレビ朝日)ら三氏の姿に、私は妙な違和感を覚えてならなかった。
彼らは、いずれもテレビメディア出身なのである。
そして何故か、皆さん野党の推薦を受けているのである。
さらに別の選挙区での当選者を見てみると、徳永エリ議員(北海道)は元TVレポーター、蓮舫議員(東京)も元キャスター、
伊藤孝恵議員(愛知)は元テレビ大阪社員、古賀之士議員(福岡)は元福岡放送のアナウンサーなのだが、
この方々も所属は民進党だ。
もちろん、元NHK記者の片山大介議員(兵庫・おおさか維新)や元山陰中央テレビ社員の青木一彦議員
(鳥取島根・自民)のような方もおられるが、テレビという影響力のあるメディアを経由して国政への参与に
名乗りを挙げた人たちに“野党所属”が多いのは何故なのか? そーいえば、比例当選の有田芳生議員も
民進党だし、都知事選出馬の鳥越俊太郎氏も野党連合の推薦を受けている。
メディアには権力を監視する役割が担われるが、しかし、メディア出身者がこぞって野党所属となると、
ジャーナリストだキャスターだと名乗っていたときの彼らは果たして公正中立な視点で政治を捉えていたの
だろうかとちょっと勘ぐってしまう。偏向メディアが多いのはそのせいなのか……、とは言っても、森喜朗氏だって
新聞記者あがりなのだけど。
ちょっと前までは、学者が『TVタックル』や『朝まで生テレビ』に出演して顔と名を売って政治家になり、
弁護士が『行列のできる法律相談所』や『サンジャポ』でやっぱり顔と名を売って府知事や市長になっていたが、
昨今はキャスターを経由して政治家になるのがトレンドなのかもしれない。
彼らが偏った報道をしていたとは言わないが、こちらはどうだろう。沖縄県うるま市で起きた“元米兵”による
日本人女性暴行と殺害事件の報道である。死体遺棄容疑で逮捕されたのは、ニューヨーク出身の
シンザト・ケネス・フランクリン容疑者だ。年齢は32歳。
シンザト容疑者は米軍基地内にあるメリーランド大学ユニバーシティ・カレッジ校を卒業後、海兵隊に入隊した。
沖縄県浦添市にあるキャンプ・キンザーなどで兵站業務に従事し、除隊した2014年にはワシントンで勤務していた。
だから、元海兵隊だったのは事実だ。
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しかし、除隊後、シンザト容疑者は沖縄に移住して米国系の民間会社に就職している。
そこで沖縄県出身の女性と結婚し、シンザト姓を名乗るようになったらしい(婿入りではなく国籍はアメリカ籍のまま)。
たしかに、シンザト容疑者は許せない事件を起こしたが、身分は民間人(軍属)である。軍属にも日米地位協定が
適用されるケースがあるが、今回は地位協定による米軍側の裁判権は発生せず、日本の司法で裁判にかけられる。
だが、何故メディアは“元米兵”“元海兵隊”と書き募るのだろう。
少しでも米兵を匂わせる記述のほうが都合がいいからだ。評論家の篠原章氏が新潮45(7月号)にこんな寄稿をしている。
〈沖縄では、米軍関係者の絡んだ事件・事故が起こるたびに、「沖縄は米軍絡みの犯罪に苦しめられている」
「米軍基地さえなければ沖縄県民は安心して暮らせる」といった世論が支配的になる(後略)〉
容疑者を“元米兵”“元海兵隊”と書くことで、その記事はかつて米兵が犯した犯罪を喚起させる。
すると、論理はいつの間にか米軍基地撤退要求へとすり替えられてしまうのだ。米兵がいなければ事件は
起きないという理屈なのだろうが、私にはどうにも不可解でならない。
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