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2016年07月08日(金) 週刊現代
★「爆買いバブル」終了で閑古鳥が鳴く、銀座の高級デパートの惨状と後悔
もっと日本のお得意様を大事にしておけばよかった…
これで商売やっていけるのか?足を運んで驚いた。鳴り物入りでオープンしたはずの免税店フロアに、
とにかく人がいない。長らく庶民の憧れだった銀座の百貨店に、いったい何が起こっているのか。
日本一、いや世界一のおもてなしを売りに、丁寧な接客で長年、商売を続けてきた銀座の高級デパート。
近年は中国人観光客の「爆買い」の対象となり、大いに賑わってきた。
ところが最近になって、銀座の高級デパートで閑古鳥が鳴いているという。現地を歩けば、たしかにそれは明らかだった。
6月某日の午後、本誌記者は銀座の百貨店内にある免税品店を訪れた。銀座三越8階の「Japan Duty Free GINZA」は
、30以上のショップが入った免税専門フロアだ。そこにいた中国人客はわずか1組で、準備中かと思うほど閑散としていた。
東急プラザ銀座内の「ロッテ免税店銀座」の惨状も目を覆うほどだ。8階と9階をぶちぬいた同店には150ものブランドや
ショップが入っているが、フロア中を歩きまわって発見できた中国人観光客はたった2組。案内カウンターで手持ち無沙汰
にしていた女性に聞くと、「ツアーなどの団体客が来る夕方にならないと、こんなものです」と諦め顔だった。
中国の人口は日本の10倍以上。まだ日本に来ていない大金持ちはたくさんいる。爆買いはしばらく続く—。
そう見越した百貨店をはじめとする小売業は、極端な中国人シフトに舵を切った。
店頭には中国語の話せるスタッフ、「タックスフリー」を全面に押し出した、中国語表記の看板。
中国人が好むような商品の取り揃え……。
長く日本文化の中心だったはずの銀座に中国語が溢れ、日本人の違和感は高まっていく。
「外国人観光客への対応を強化したばかりに、外国人の店員が多くなりすぎ、その弊害が目に見えるようになってきました。
言葉を優先して中国人をかき集めたものですから、当然、商品知識や日本語の能力は日本人に比べて著しく劣っている。
日本人のお客様からすれば、自分が聞きたい情報が得られないため、購入に結びつかないケースが増えています」(銀座の百貨店店員)
URLリンク(gendai.ismedia.jp)
実際、銀座にある有名百貨店の社員は、
「いつから中国人観光客向けのお土産屋さんになったのか」
「南部鉄器や包丁など、和のテイストを強調した品物ばかりで買いたいものがなくなった」
「中国人の店内でのマナーの悪さをなんとかしてほしい」
といった意見が連日のように日本人客から寄せられていると明かす。
そして、「爆買い」の潮目が変わった。アベノミクスによって進んだ円安・株高は、今年に入って急速に逆回転。
円高が進み、この1年で人民元は円に対して約2割も安くなったのだ。
「円高に追い打ちをかけるように、中国政府が今年4月から個人への関税を強化したことも『爆買い』に響いています。
景気が後退している中国では国内消費を喚起しようと、海外で購入した商品を国内に持ち込む際の課税を強化しました。
具体的には高級腕時計はこれまでの30%から60%に、酒や化粧品などは50%から60%に、食品は10%から15%に
それぞれ引き上げたのです」(日本総研副理事長・湯元健治氏)
その結果、中国で転売することを目的に、高級時計や家電、ブランド品などを大量に購入していた「ブローカー」が姿を消した。
今も中国人観光客は日本国内に数多く滞在しているが、客単価は激減。かつてのように数万円のものをポンポン買う光景は見られない。
「以前は1個1万6000円もする生薬強心剤が3つも4つも、まとめて買われていましたが、今はまったくそんなことはありません。
せいぜい水虫薬や日焼け止めをいくつかといった程度です。いわゆる富裕層が少なくなり、中間層の人数が圧倒的に増えています。
彼らの財布のヒモは普通に固いですね」(銀座にあるドラッグストア店員)
そんな客層の変化も百貨店を直撃している。
6月20日に日本百貨店協会が発表した5月の免税品売上高は16・6%減と、2ヵ月連続で前年割れとなり、
中国人観光客による「爆買い」の減速傾向が一段と鮮明になった。全国百貨店売上高も4629億円と、
前年同月比で5・1%減少したと発表。3ヵ月連続のマイナスとなっている。
>>2へ続く