16/07/03 05:34:33.74
★【ニッポンの新常識】英国の国民投票とEUの根本的問題 短期間に無茶をやり過ぎた欧州委員会
2016.07.02
英国で、EU(欧州連合)に「残留か」「離脱か」の国民投票が行われ、離脱派が勝利した。
大勢が判明した6月24日午後、円相場は急騰し、一時1ドル=99円台を付けた。
日経平均株価は1286円も暴落し、世界の株式市場は同時安となった。
この混乱は十分に予測されていた。従って、「残留派=理性的かつ現実的な知識層」で、
「離脱派=不寛容で感情的な無教養層」と決め付ける論調がある。果たして、そうだろうか。
テレビ朝日系「報道ステーションSUNDAY」のインタビューで、離脱派の英国人男性が
「日本の最高裁がソウルにあり、国会が中国にあったら嫌でしょう」と話していた。
離脱派を見下している日本人の中に、このウイットに富んだ例え話に反論できる人物がいるだろうか。
EUは、人と物と資本を自由に往来させるグローバリズムを欧州で実現する目的でつくられた。
加盟国は、国家主権を欧州委員会(=EUの行政執行機関、EUの政府)に預ける実験の範囲を
徐々に拡大してきた。
しかし、イデオロギー優先といえる欧州委員会は、短期間に無茶をやり過ぎた。
EU加盟国間の歴然たる経済格差や、人種問題、国民性、宗教対立など、現実に存在する
問題を無視あるいは軽視して、加盟国の拡大を続け、理想を無理やり押し付けた。
そのうえ、短期契約を含めると3万人にまで膨れ上がったEU官僚は、高給を得られる仕事を維持するためか、
掃除機の吸引力制限のような細かい決まり事をつくっては、加盟国に強制したという。
結果、英国のみならず、フランスやオランダなど、先進国では軒並み不満が噴出している。
EUの恩恵を最も受けたドイツですら、シリア難民問題では国論が分かれた。
イデオロギーに染まった人は、目の前の現実や人間の本能を軽視する。
祖国が国民と移民を等しく扱うのは、母親がわが子と隣の子を等しく扱うのと似ている。
わが子は本能的に嫌だと感じる。それを「不寛容」と批判するのは簡単だが、
私ならその批判者に「あなたは人間の本能に対して不寛容だ」と反論する。
ドイツのメルケル首相は、英国が今後、移動の自由や単一市場へのアクセスなどの
「いいとこ取り」をすることは許されないとの見解を示した。
しかし、加盟国のさまざまな混乱と引き換えに、ユーロ安と賃金安という「いいとこ取り」で独り勝ちを
続けてきたのがドイツである。だから、EUは「ドイツ第4帝国」だと揶揄(やゆ)されるのだ。
子供じみた意地悪をやめて、実利優先の離脱交渉をしなければ、EUと英国は共倒れになる。
URLリンク(www.zakzak.co.jp)