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★【英国民投票】 離脱派が勝った8つの理由
英国は23日の国民投票で、欧州連合(EU)離脱を決めた。離脱派はどうやって勝ったのか。
1. 「経済打撃」の警告が裏目に
最初はわずかだったものはすぐに大きな流れとなり、最後には洪水と化した。
「Brexit=英国離脱」で英国がいかに貧しくなるか、警告の上にも警告が相次いだ。
しかしいかに警告の集中砲火を浴びても、国民は結局のところ、言われたことを信じなかった。
そしてあるいは、その程度の代償は払う価値があるとも考えた。
CBI(英産業連盟)もIMF(国際通貨基金)もOECD(経済協力開発機構)もIFS(英財政研究所)も、
まるでアルファベット・スープのような専門家たちが次々と、EUを離脱すれば経済成長はおぼつかなくなり、
失業率は上がり、ポンドは急落し、英国のビジネスはEU外の無人地帯に放り出されると警告した。
イングランド銀行(中央銀行)は景気後退の懸念を示唆した。財務省は所得税増税が必要になる上、
国民医療サービス(NHS)や教育費や国防費の削減も必要になると指摘していた。
その上さらに、もしEUを離脱すれば、米国との通商協定を望む国々の「列の最後尾」に英国は並ぶ羽目になると、
オバマ米大統領はほのめかした。またEUのトゥスク大統領は、欧米政治文明の終焉を示唆した。
残留派の中にも、これはやりすぎだと、いわゆる「恐怖作戦」は手がつけられなくなってしまったと認める人たちはいた。
一方で離脱運動は、離脱の影響を悪しざまに言うのは、私利私欲から英国を批判する無責任な金持ちエリートだと一蹴した。
しかし、専門家のアドバイスを国民の多くがこれほど積極的に無視したのは、単にエスタブリッシュメントへの反乱という
以上の何かを思わせる。欧州の連合に50年近く関わったことの経済的メリットがさかんに喧伝されるが、
自分たちはその恩恵を感じていない、置き去りにされていると感じる人が、実に多かったのではないかと思われる。
2. 「NHSに3億5000万ポンド」の公約が広く伝わった
「EUに毎週3億5000万ポンド送っている。それより資金をNHSに使おう」と書かれた離脱運動の広報バス
EUを離脱すればEUに払っていた週あたり3億5000万ポンドの予算が浮くので、これをNHSに回せる―というのはまさに、
各種の政治運動が夢見る主張だ。印象的で分かりやすく、色々な年齢や政治指向の有権者を惹き付ける。
離脱派がこれを、広報バスに大きく掲げたのも当然だろう。
詳しく精査すればそんなことはありえないのだが、それでもメッセージは力を失わなかった。3億5000万ポンドという額の
根拠に使われた数字に、財務省特別委員会が異論を唱え、英統計局がミスリーディングな数字かもしれないと指摘したのだが。
残留派の活動家アンジェラ・イーグルさんは反対陣営に「あの嘘をバスから外しなさいよ」と言ったかもしれない。
しかし世論調査によると、この公約はかなり支持され、広まり、国民投票の運動で取り上げられた様々な数字の中で
一番印象に残るものとなった。このスローガンの結果、この額をEUに加盟費として払うよりは英国内で使うべきだと
多くの人が考えるようになったのだ。
そういう意味では、「英国はEUの外にいた方がいい」という主張を強力に支えるメッセージだった。
3. ファラージ氏が移民問題を主要テーマにした
移民問題にすべてを賭けたというわけではないにせよ、離脱派は何が切り札か承知していたし、切り札は効果的に使った。
移民問題は、国民的・文化的アイデンティティーというより大きな問題につながり、なおのこと離脱派の主張には好都合だった。
特に低所得有権者へのメッセージとしては。
英国に来る移民の数やその社会的影響に対するここ10年来の懸念と、今後20年でどうなるのかの懸念は、予想外に幅広く、
かつ深く浸透していたことが、投票結果からうかがわれる。
同様に、離脱派の中心的主張は、EUに留まる限り英国は入ってくる移民の数を制限できないという内容だったが、
これがいかに有権者に強く響いていたかも、投票結果からうかがわれる。いずれも非常に重要なポイントだ。
離脱派の理論武装にとってトルコは鍵となる「武器」だった。トルコのEU加盟を英国は阻止できないという言い分は、
徹底的に論破されてはいたが、それでも十分な不安をかりたてた。欧州で続く移民危機も、この不安に追い討ちをかけたはずだ。
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URLリンク(www.bbc.com)