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2016.6.24 19:24
★【英EU離脱】「西洋政治の崩壊の始まりだ」 ロシアが再び超大国として台頭する 世界経済や安保政策に影響
「欧州連合(EU)と、西洋政治の崩壊の始まりだ」
EUのトゥスク大統領がこう述べたように、英国がEUからの離脱を決めたことは、
第二次世界大戦後の欧州を支えてきた安全保障体制が最期を迎える危険性をはらんでいる。
ウクライナ危機に代表されるように、欧州とロシアは冷戦終結後最悪の対立状況にある。
EUは対露経済制裁を半年間延長することを21日に決めたばかりだ。そうした中、対露強硬派として
EUの対露制裁を主導してきた英国が離脱すれば、対露包囲網に亀裂が生じるのは避けられない。
米国の著名な投資家、ジョージ・ソロス氏の予言は、さらに悲観的だ。ソロス氏によれば、EUがこの先、
崩壊に向けて凋落(ちょうらく)し、ロシアが世界の超大国として再び台頭するのだという。
EUの結束が弱まれば、ロシアだけでなく、欧州で急速に台頭するイスラム過激派の脅威への連携対処
にも重大な支障を招きかねない。旧ナチス・ドイツの暴走を許した第二次大戦の反省から、欧州の恒久
平和と安定を求めたことを出発点とする「欧州統合」は、重大な岐路に立たされた。
全世界で「EU残留」を求める声が高まったにもかかわらず、英国民の過半数が離脱を選択したのはなぜなのか。
自由を重んじる英国では、規制の多い大陸欧州への反発が強く、共通通貨ユーロに参加せず
、EUと一定の距離をとる経済政策で繁栄を築いてきた。
しかし、ソ連崩壊後、EU東方拡大で2004年から東欧などから年間30万人を超える移民が大量に流入。
グローバル化の恩恵を受けられなかった一部の英国人は、移民が英国人労働者の雇用を奪い、
社会保障を圧迫していると批判。また、英国がEUに加盟しているから移民が流入してくるのだと考え、
EUからの離脱を求めた。
彼らの不満に答えたのが大陸欧州と一線を画し、かつて世界を支配した大英帝国を懐かしむ欧州懐疑派と
呼ばれる保守勢力だった。
「メーク・ブリテン・グレート・アゲイン」。
米大統領選の共和党候補指名が確定しているドナルド・トランプ氏の主張と酷似した愛国主義のキャッチ
フレーズを使用するのは、ボリス・ジョンソン前ロンドン市長ら離脱派だ。彼らは、欧州統合の理念よりも英国
第一の反EUの潮流を作り、内向きのポピュリズムで離脱を後押しした。
「トランプ現象」が吹き荒れたのは、米国だけではなかったのだ。
これで、反EUを掲げる加盟各国の政治勢力が勢いづくのは明白だ。EUは、離脱の動きが波及していくのを
どのように食い止めるのか。答えは見えない。 (ロンドン 岡部伸)
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