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★【野口裕之の軍事情勢】母性本能こそが国家を守る 海自護衛艦「やまぎり」のママさん艦長かく闘えり
海上自衛隊で初めて護衛艦の女性艦長が誕生したと聞き、神奈川県横須賀市に係留中の《やまぎり》の
艦長室を訪れ、大谷三穂2等海佐(45)に取材した。女性将兵の増加は世界的傾向だが、増加に伴い
「母性保護」問題が浮上する点もまた、世界的傾向だ。しっかりとしたメディカルケアや、結婚・出産後も
仕事を続けられる体制の拡充が不可欠な状況も、自衛官以外の働く女性が直面する課題と基本的に変わりはない。
ただ、戦闘艦で長期の海上勤務に就く大谷さんはじめ武器を取り扱う女性自衛官は、他の働く女性はもとより、
男性社会人とも精神・肉体上の負担・苦痛を異にする。海外派遣や危険な任務が増え、家族の理解と支えは
重要度を増したが、限界や個人差も立ちはだかる。
練習艦のナンバー2=副長に初めて就き、半年間の遠洋練習航海に行くと告げた際も、7歳だったまな娘は
「行っちゃヤダ」と泣いた。ところが、「ママは艦長になりたいの。副長にならないと、艦長にはなれないの」と言って
聴かせると、ややあって、しゃくり上げながらも母を見上げ、声を絞り出した。
「ママが艦長になりたいなら、行って…」
大谷さんは「母の夢を子がかなえてくれた」と振り返った。
■220人の部下を率いる中佐殿
大谷さんは大日本帝國海軍では中佐に相当し、火砲やミサイル、短魚雷で武装する基準排水量3500トンの
護衛艦《やまぎり》の艦長として、220人の乗組員を率いる。艦橋では「指定席」でにらみをきかせ、
艦長室には風呂・トイレが付く。
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護衛艦「やまぎり」艦長の大谷三穂2等海佐=6月2日、神奈川県横須賀市(寺河内美奈撮影)
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防衛大学校(横須賀市)の40期、分かりやすく表現すれば「女性1期生」に当たる。
当初は、一般大学の文学部に入学し、考古学者を目指した。が、テレビでたまたま見た湾岸戦争で、
防大進学を決意。2年生のときに中退して、「女性らしく育ってほしい」と望んだ両親の反対を押し切り防大に進んだ。なぜか-。
「親のスネをかじっての大学生活は一人暮らしで楽しく、ぬるま湯。でも、テレビの向こうでは戦争という別世界だった。
こんなことで良いのかと、衝撃を受けた。以前より、国に奉仕する仕事をしたかったのは確かだが、湾岸戦争の映像で愛国心を覚えた」
■母性本能が国家を守る
《やまぎり》における指揮統率方針は《一源三流》。方針には、母であり、妻でもある女性艦長のパイオニアとしての努力が透ける。意訳すると-。
一、国家を守るために血を流す。
二、家族のために汗を流す。
三、部下・同僚のために涙を流す。
「国家への愛」「家族への愛」「部下・同僚への愛」の《三流》は、同じ価値観《一源》から派生していると、大谷さんは固く信じているのだ。
女性自衛官に話を聴いていると「母親の『わが子を守らなければ』という母性本能が、国家を守る使命感を強固にする」と
感じることが少なくない。わが子の笑顔を思い出し、勇気百倍奮い立つのである。
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実のところ、今回は2回目の艦長就任だった。ただ「前回は武装してはいるものの、練習艦で任務が違う。
女性初の護衛艦艦長は荷が重く、失敗すれば、後に続く女性自衛艦に迷惑がかかる」と、緊張の連続だ。
だからこそ、《一源三流》の士気統率方針の下、艦と乗組員の実力を最高度にまで高めて乗り切ろうとしている。
「自ら部下の懐に入っていく。昔の艦長はドーンと座って、部下は艦長の背中を見て判断し、育っていった。
今の若い人は、情報社会の中で多様な価値観を持つ。こっちに向けと言っても、向かぬこともある。
話題を合わせる積極性も必要だ。例えば、私自身ゲームはしなくても『どんなゲームをするの?』などと、話しかけています」
2月下旬の艦長就任以来、220人もの部下の顔/名前/配置を、1カ月強で覚えたのも《一源三流》に忠実だった証左に違いあるまい。
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