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★看護・介護 外国人登用を
2016年05月20日
◆制度創設７年で７人 試験合格目指す
外国人看護師・介護福祉士候補者の受け入れ制度※による外国人の受け入れが、県内で進まない。
制度創設から７年間に岩手県で受け入れたのは７人（すべて介護福祉士候補者）のみで、
国家試験の合格者はゼロだ。現在は５人が２か所の福祉施設で実技を学んでおり、
施設側も協力して初の合格を目指している。（安田信介）
４月、花巻市の特別養護老人ホーム「銀河の里」。
テレビを見ながらくつろぐ入所者の輪の中に、２人の若者がいた。
「お花見行きましたか」。入所者に話しかけたのは、フィリピンから来たチャールズさん（２６）。
その横で、フェメイさん（２８）は別の入所者にプリンを食べさせていた。外国人に抵抗があった
という阿部モヨ子さん（８７）は「優しくて気遣いができる。良い友達ができてうれしい」と笑顔だ。
日本に来た理由について、２人は「家族を金銭的に助け、新しい経験をしたかった」と口をそろえる。
現地で日本語研修を半年間受けた後、昨年夏に来日した。日本の研修施設でも半年間、日本語を学び、
１２月に銀河の里で働き始めた。チャールズさんは「食事の作法などの違いに戸惑ったし、日本語は難しい。
でも施設の人は親切だし、楽しんでいる」と笑顔を見せる。
２人は敷地内にある寮で寝起きし、午前６時半～午後３時半に勤務。午後４時から２時間は、
日本語と国家試験の勉強をする。週１日は、職員が実践の場で使う日本語を教え、
宮沢京子施設長（６２）も指導にあたる。
宮沢施設長は１０年ほど前に英語の研修でフィリピンを訪れた経験から、２人を受け入れた。
「冬の寒さを乗り切れるか心配したが大丈夫だった。人柄もいいし、仕事も順調」と話す。
ただ、県内では、外国人介護士らの受け入れは進まない。国や県などによると、７年間に来日した
介護福祉士候補者２０６９人のうち、岩手県で受け入れたのは７人。現在は花巻市のほか、
大船渡市の福祉施設でインドネシア人３人が介護福祉士の候補生として働く。
受け入れが少ない理由について、厚生労働省は「施設にとっても受け入れは初めての経験。
近隣に受け入れている施設がなければ、実情を知るのは難しく、手を挙げづらいのも一因ではないか」
（外国人雇用対策課）と推測する。
全国では６２２人が国家試験を受け、５１％の３１７人が合格したが、県内から合格者は出ていない。
合格者がいないのは、岩手県を含めて８県だけだ。
日本人に比べて外国人の合格率が低いため、国は１２年度から、試験問題の漢字にルビを振る
措置などを始めた。１５年度、介護福祉士は初めて外国人の合格率が５割を超えており、
県内でも初の合格者誕生が期待されている。
◇
※外国人看護師・介護福祉士候補者の受け入れ制度
外国人が病院や福祉施設などで３～４年ほど働き、国家試験に合格すれば引き続き就労できる制度。
経済連携協定（ＥＰＡ）に基づき、２００８年度にインドネシア人、０９年度にフィリピン人、
１４年度にベトナム人の受け入れが始まった。受け入れを希望する福祉施設が申請して派遣を受ける仕組みで、
１５年度までに看護師候補者は９９４人、介護福祉士候補者は２０６９人が来日している。
URLﾘﾝｸ(www.yomiuri.co.jp)
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