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★在外被爆者、大統領訪問に思う 韓国・ブラジル・カナダ
編集委員・中野晃 岡本玄、宮崎園子 ジュネーブ=松尾一郎2016年5月17日15時45分
広島、長崎で被爆し、海外で暮らす在外被爆者。日本の援護制度の枠外に長らく
置かれてきた人たちも、オバマ米大統領の広島訪問に注目している。謝罪、核廃絶の誓い……。
期待や要望はさまざまだ。
■韓国人も原爆犠牲「謝罪を」
「重大な決断をしたと思います。ただ、単に日本と米国の関係強化に使われるのであれば、
意味はありません」。オバマ大統領の広島訪問が決まった翌日の11日、
沈鎮泰(シムジンテ)さん(73)は取材に語った。
沈さんは韓国原爆被害者協会陜川(ハプチョン)支部で支部長を務める。
陜川は朝鮮半島南部の山あいにある農村で、約620人の韓国人被爆者が暮らしている。
日本が半島を植民地支配していたころに広島へ渡って原爆に遭い、その後なんとか帰国できた人たちだ。
沈さんも2歳の時に広島で被爆した。原爆を生き延びた父は朝鮮戦争(1950~53年)で亡くなり、
家族は貧困と病に苦しんだ。「民間人の頭の上に原爆を落としたことを、
大統領はまず『間違っていた』と謝罪してほしい」と求める。
日本は「唯一の被爆国」と言われてきたが、沈さんは「韓国も被爆国だ」と言い続けてきた。
オバマ大統領が広島訪問時に行くとみられる平和記念公園の一角には、韓国人原爆犠牲者慰霊碑もある。
「大統領が足を運べば、犠牲者に大勢の韓国人もいたことが世界に伝わるはず」と期待する。
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