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2016.5.13 06:00
★【ブラジル情勢】政治力不在のまま迎えるリオ五輪 ルセフ氏停職、誰が開会宣言？ 犯罪多発も警官の給料未払いなど課題山積
ブラジルのルセフ大統領の停職が決まったことで、８月のリオデジャネイロ五輪の
準備が十分に整うのか、いっそう不透明になった。誰が開会を宣言するかも流動的で、
深刻な経済危機と財政難の中、今後はテメル副大統領率いる暫定政権の指導力が
問われることになる。
五輪の開幕直前に現職大統領の弾劾裁判が始まるのは異例中の異例。２００９年
１０月にリオ五輪の開催が決まった際、ブラジルは好景気だっただけに、
「当時は誰もこんな事態を想定していなかった」（専門家）という。
弾劾裁判の期間は五輪やパラリンピックをまたぎ、最大１８０日間設けられているため、
大会期間中も裁判の審理の状況に応じて、リオ市内の競技施設周辺でデモや住民間の
対立が激化することが想定される。今回の出来事は、国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）
の開催都市の判断基準にも大きな影響を与えそうだ。
一方、政治家が政争に明け暮れる中、リオ市内の治安情勢は近年でも最悪の状態で、
観客や選手らの被害も懸念されている。市内の強盗発生率は日本の約６６０倍。
１５年の強盗発生件数は１２年に比べ約５０％も上昇した。ギャングらは銃を
持っており、警官も今年に入り３５人が殉職している。
財政難で警官らの給料未払いも続いており、危険な現場を拒否したり、五輪直前に
ストライキを起こしたりする可能性も指摘されている。（リオデジャネイロ 佐々木正明）
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