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★「フジ系」扶桑社から「日本会議」批判本 話題の新書めぐる騒動に「保守の内ゲバ」説も
J-CASTニュース / 2016年5月10日 19時11分
著述家の菅野完(たもつ)さんが上梓した『日本会議の研究』(扶桑社新書)について、
日本会議が「申し入れ書」を扶桑社側に送付した。
本書は安倍内閣を支え続ける保守系民間団体「日本会議」の歴史や、政界への影響力を
詳しく解説したもの。所属するメディアグループのイメージから保守論壇の一翼を担って
いると見られがちな同社と保守系団体の間に起こったトラブル。ネット上では「内ゲバ」
などと揶揄する声もあるが...。
『日本会議の研究』は、扶桑社の運営するウェブメディア「ハーバー・ビジネスオンライン」
に2015年2月から連載されていた「草の根保守の蠢動(しゅんどう)」をまとめたもので、
16年5月1日に刊行された。日本会議の内実が批判的に紹介されている。
しかし、出版からほどなく「異議」が申し立てられた。日本会議が扶桑社側に
「申し入れ書」を送付したというのだ。
一体どんな内容なのか。日本会議の広報担当者はJ-CASTニュースの5月10日の取材に対し、
「扶桑社側からの回答を待っている段階であり、現時点で申し入れ内容を当方側から明かす
ことは差し控えたい」と回答した。とはいえ、書籍の内容から推測する限り抗議の可能性が高い。
扶桑社といえば、保守系の論陣を張る産経新聞と同じフジサンケイグループに所属し、
日本で唯一の皇室専門誌『皇室』、日本で唯一の自衛隊オフィシャルマガジン『MAMOR』
(マモル)を刊行している。
そうした背景もあってか、騒動が報じられると
「訳が分からない。内ゲバ?」
「扶桑社から何故出版出来たのかは不思議」
「日本会議とフジサンケイは同じ陣営では」
といった声がツイッターに寄せられた。
「異議」はそれだけにとどまらない。扶桑社の担当者によると、日本会議とは別の一個人からも
「出版差し止め」の仮処分を申し立てる、と代理人経由で通告されたという。
担当者は「すでに係争状態にあると認識している」として通告の方法や内容は明かさなかったものの、
「裁判所からの呼び出しはまだ無いが、あれば出廷する」と話す。
「生まれたばかりで」騒動に巻き込まれた本書だが、16年5月10日17時半現在、通販大手「Amazon」
では在庫切れ。5日から6日にかけて「本」ジャンルの売れ筋ランキングで1位となるほどの人気を、
皮肉にも集めている。
本書が描いているのは、一民間団体が安倍内閣を陰に陽に支える構図だ。地道に、そして粘り強く
政権にアプローチしようとする市民運動の姿を追っている。
著者の菅野さんに話を聞くと、多くの読者から「日本会議の地道さと運動に対する真摯さに
圧倒された」との声が寄せられているという。
「『日本会議は超巨大な悪の組織だ』という勘違いも、『日本会議の影響なんてたいしたことない』
という勘違いも両方なくなればいいと思いますね」
また、菅野さんは取材の中で
「(自分は)無名なので基本、誰も会ってくれませんでした。インタビューしたい人には、
手紙を書きまくる、日参する、と信頼してもらえるよう努力しました」
「(ハーバー・ビジネスオンラインの連載を続ける中で)『ああ。こいつはちゃんと調べているな』
と途中で認めてくれて、連絡をくれるケースも多々ありました」と執筆時の苦労も振り返った。
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