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2016年 05月 7日 06:46 JST
★コラム:アレッポ停戦合意、シリア内戦の転機になるか
[5日 ロイター] - シリア第2の都市アレッポで4日成立した停戦合意が保たれれば、
近年最も悲惨で、おそらく地政学的に最も複雑な紛争は、本当の転機を迎えるかもしれない。
しかし、4年に及ぶ戦闘を経て(特にここ2週間は戦闘が激しかった)、停戦が維持されるかどうかは定かではない。
アレッポでの戦況は依然として大部分がはっきりしない。シリア政府軍や、反政府軍、そしてそれらの国際的な
支援国にとっても、アレッポで今後何が起きるかが、シリア全体の方向を決定づけると思われる。
目下の問題は、この停戦が、最終的にシリア情勢を安定回復に向かわせるための交渉による解決へとつながるのか、
あるいは、単により多くの戦闘を始める前の一時的な中休みに過ぎないかだ。
後者であれば、2012年7月19日にアレッポで戦闘が始まって以来、情勢悪化に苦しんできた地元住民にとって、
さらに悪いニュースとなるだろう。病院をはじめとする市内公共サービスは、何度も標的にされており、援助活動家によると、
多かれ少なかれ、今や完全に破綻している。
もともと人口210万人の都市だったアレッポに、現在どれほどの人々が残っているのかはまったく不明だ。
停戦があれば、市内に留まっている人々の大半が脱出するための好機とみなして利用する可能性がある。
少なくとも、彼らが停戦は長続きしないと考えている場合には、そうなるだろう。
シリアのアサド大統領や同大統領を支援するロシアの計画がどのようなものか、
特に彼らが同じ計画を共有しているかを解明することはとても難しいと、西側の当局者やアナリストは話す。
アレッポを完全に取り戻すことは、アサド政権にとっては大きな勝利となるだろう。首都ダマスカスが比較的安定し
ている一方、アレッポ同様、2011年の反政府勢力蜂起の発祥地の1つとなったホムスは2014年5月、
反政府軍からの奪還を果たした。
仮に政府軍がアレッポを再び掌握すれば、ダルアーが、比較的穏健な反政府軍の支配下にある唯一の重要な人口居留区となる。
このため、アレッポ奪還は、アサド大統領に消え去って欲しいと望む、米政府の多くをはじめとする人々に対して、
おそらく致命的な打撃を与えることになるだろう。
そして、ヒラリー・クリントン前国務長官であれ、不動産王ドナルド・トランプ氏であれ、次期米大統領がしぶしぶ交渉し、
過激派組織「イスラム国(IS)」を攻撃するために事実上の同盟を構築する可能性を残すかもしれない。
しかし、シリアではいつもそうだが、現実はもう少し混乱しているかもしれない。アレッポを奪還して治安を維持し、
さらにはシリアの他地域で戦える余力を有した十分な軍をアサド政権が持っているのかどうか、一部の専門家は疑問を呈している。
アレッポにいる反政府武装勢力のすべてが、アサド後のシリアで最大の希望とワシントンの多くの人々が期待するような穏健派ではない。
ISの敵で、イスラム過激派組織アルカイダのシリア支部とみられている「アル・ヌスラ戦線」も非常に活発に活動している。
この組織は、先週末の病院の爆破攻撃を行った疑いがあり、もし確認されれば、事態はより一層複雑化する可能性がある。
米国と他の西側諸国にとって、優先されるのは今もなおISとの戦いだ。この意味においては、アレッポの重要性は小さく、
二の次となっている。とはいえ、ISはアレッポの近郊で勢力を保ち、現在行われている戦闘で利益を得ていると一部でみられている。
ロシアのプーチン大統領が何を得たいのかによって多くが決まる。ロシア軍のシリア介入は、あらゆる意味で形勢を
一変させるものだった。とはいえ、アレッポでの戦闘では、アサド軍はロシアの軍事力にそれほど依存していないようにみえた。
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