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2016.4.21 18:59
★米最高裁、真っ二つ 不法移民の強制送還免除めぐり賛否 オバマ氏の改革頓挫の可能性も
【ワシントン=小雲規生】米国生まれで米国籍を有している子供がいるなどの事情がある
不法移民の強制送還を免除するオバマ政権の政策(DAPA)をめぐる裁判で、米連邦
最高裁判所が真っ二つに割れている。6月に見込まれる判決で判事の賛否が拮抗した場合、
DAPAを否定した下級審判決が維持されるため、オバマ氏の改革が頓挫する可能性が出ている。
最高裁の構成はリベラル派4人、保守派4人。本来は9人だが、保守派のスカリア判事が
2月に急死し、後任人事をめぐるオバマ政権と共和党の軋轢で空席は当面埋まる気配がない。
保守派のケネディ判事は重要裁判でリベラル派に歩調を合わせることも多いが、
DAPAには否定的だ。
18日の審議では支持派と反対派の双方から主張を聞き、リベラル派判事は支持派に同調。
一方で保守派判事は反対派を支持する立場を示唆し、意見は4対4で分かれているもようだ。
「(強制送還を続けても)ほとんどの不法移民は米国内に留まり続けるということですね」。
リベラル派のソトマイヨール判事は審議で不法移民問題の根深さを指摘し、DAPAの意義に
理解を示した。
米国の不法移民数は推計約1100万人。国土安全保障省は年間約40万人を強制送還しているが、
流入もあるため不法移民数は横ばい状態だ。
そこでオバマ氏は不法移民対策として2014年11月にDAPAを打ち出した。
不法移民に合法的就労を促し、貧困や犯罪に陥ることを防ぎたい考えだ。
しかしテキサス州など26州は同年12月、DAPAが大統領の権限を逸脱しているなどとして提訴。
この主張は連邦地裁と連邦高裁で支持され、DAPAは差し止め状態が続いている。
18日の審議でも、ケネディ判事は、不法移民の強制送還免除は法律として議会が決めるべき
政策だとの立場を示唆。DAPAについて「大統領が政策を決め、議会がそれを執行しているかに
みえる。あべこべではないか」と批判した。
最高裁で賛成と反対が同数となった場合は下級審の判断が維持されるため、DAPA実現の道は
途絶える。ただしテキサス州などが訴訟を起こすことができる立場にあるかどうかなどの論点も
指摘され、裁判の行方には不透明さも残る。
また、11月の大統領選に向けた候補者選びでは、共和党側でトップを走るドナルド・トランプ氏が
不法移民の強制送還の徹底を打ち出して支持を集める。一方、民主党側でリードするヒラリー・クリントン
前国務長官は不法移民の受け入れに寛容な姿勢を示しており、裁判は今後の選挙戦にも影響を与えそうだ。
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