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2016.4.15 21:10
★【２８年版外交青書】韓国２７年版より“格上げ” ユネスコにも「一方的主張で登録」と批判
岸田文雄外相は１５日の閣議で、平成２８年版「外交青書」を報告した。東シナ海や南シナ海での
中国の活動を重点的に取り上げ、韓国が不法占拠を続ける竹島（島根県隠岐の島町）についても
問題解決に向けた日本の取り組みを明記。海洋安全保障や領土問題を重視する日本政府の姿勢を鮮明にした。
初めて設けた「海洋秩序に対する挑戦と日本および国際社会の対応」の項目では「東シナ海情勢は
悪化している」と指摘。中国の尖閣諸島（沖縄県石垣市）周辺での領海侵入や境界未画定地域での
一方的な資源開発に「日本として主張すべきは主張する」と強調した。
南シナ海情勢についてもスプラトリー（中国名・南沙）諸島での中国による拠点構築前後の写真を掲載し
「軍事目的での利用など現状を変更し緊張を高める一方的な行動、さらには既成事実化の試みが一段と
進められており、日本を含む多くの国から懸念が表明されている」と指摘した。
また、東シナ海情勢については、中国が日中中間線の中国側で計１６基の構造物を設置していることを
「極めて遺憾」と批判。尖閣諸島周辺での領海侵入は１年間で３５回（累計９５隻）に上ったことも明記した。
中国は「最も重要な二国間関係の一つである」とし、２７年は「日中関係の改善の流れが見られた一年となった」
と総括した。
竹島については、日本が韓国側に３度にわたり国際司法裁判所への付託を提案したことなど、
国際法にのっとった解決を目指していることを強調した。
韓国については「戦略的利益を共有する最も重要な隣国」と表現し、「最も重要な隣国」にとどまっていた
２７年版よりも、昨年末の慰安婦問題をめぐる日韓合意によって関係改善が進んだとの認識を示した。
一方で、今年２月に国連女子差別撤廃委員会で日本政府が慰安婦問題の事実関係を初めて口頭で包括的に
説明したことも明記した。
昨年１０月に国連教育科学文化機関（ユネスコ）が中国の関係機関が申請した「南京大虐殺文書」を
記憶遺産に登録したことについても取り上げ、「中国の一方的な主張に基づき申請・登録がなされた
ものであり極めて遺憾」と批判。「記憶遺産事業がユネスコの精神に反するものとならないよう制
度改善に努めている」とアピールした。
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