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★大阪)共生?排斥?米国の今 在日男性がみた多民族社会
中野晃2016年4月15日03時00分
「多民族社会」と言われる米国は今、どうなっているのか―。大阪市生野区を拠点に
多文化教育に取り組む「コリアNGOセンター」事務局長の金光敏(キムクァンミン)さん
(44)が約1カ月、訪米して実情を視察した。多様性を大切にする施策がある一方で、
移民排斥を訴える大統領予備選候補が人気となる。そんな現実を20日、大阪市北区の
市立大大学院梅田サテライト(大阪駅前第2ビル6階)で報告する。
金さんは米国務省のプログラムで福岡のNPO関係者らとともに招かれ、2月から約3週間、
全米各地で移民支援策などを視察。終了後も3月までカリフォルニアに残り、マイノリティー
(少数者)を取材した。
金さんは各地を回りながら、米国の貧富の格差の広がりと社会の固定化を肌で感じたという。
富裕な白人らは郊外に暮らし、中心街の廃れた地域に貧しい黒人らが集まる。富裕層は公共の
福祉に税金が使われることに反発し、貧困層は金のかかる高等教育を諦めて低賃金の仕事を強いられ、
不満を募らせる。金さんは「米国社会が人種や世代、経済力で分裂していると感じた」と振り返る。
一方で、移民や難民を積極的に受け入れ、地域の活性化につなげていた都市も視察した。
南東部ノースカロライナ州の金融都市シャーロットは、難民が英語や技術訓練を受講できる
定着支援プログラムを自治体が中心となって整備した。難民を雇用する企業も多く、起業する
人もいるという。金さんは「多様性に富む地域社会をつくることで、経済に新しい潤滑油を
さそうとしている」と分析した。ミシガン州のデトロイトでは、スペイン語圏からの移民が
大勢住む「メキシカンタウン」を訪問。街に活気があふれ、自動車産業とともに衰退する
中心街とは対照的だったという。
金さんは「先進国で高齢化と人口増の停滞が進み、移住者がどの国、どの都市に住むかを選ぶ
時代になる中、多様性を含みこむ包容力がどれだけあるかが都市の存亡に関わってくると感じた」
と話す。日本や大阪の社会のあるべき姿の鍵にもなると感じた。
金さんは米国滞在の最終盤、カリフォルニア州オークランドにある「アフロセントリックスクール」
を訪ねた。アフリカ文化を教育の軸に据え、奴隷として連れて来られた黒人の歴史や黒人文学に
力点を置く授業をしていた。祖国やルーツとのつながりを確かめながら自尊心を築いていくことに、
在日の民族教育に通じるものを感じたという。
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