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2016.4.13 15:44
★3億円市有地“無断”で野菜畑に 大阪・交野 住民30人超が栽培、市は黙認も…一転見直しへ
市民らが憩う森林公園を整備しようと、大阪府交野市が約3億円で買収した市有地が、
複数の住民に約25年にわたり野菜畑として無料で利用されていることが13日、分かった。
現地の草刈りを市から依頼された住民が“無断転用”したのがきっかけで、市も目的外利用と
知りながら事実上黙認してきた。市は3月の市議会で追及を受け、畑としての利用を見直す
方針だが、野菜を長年育ててきた住民らは突然の方針転換に困惑している。
市は昭和60年、「交野市民創造の森整備構想」と銘打ち、同市の星田地区で、甲子園球場
約4・5個分にあたる約18万平方メートルを、自然観察やスポーツが楽しめる森林公園
として整備することを決定。60年以降、周辺の土地約9万2千平方メートルを計約29億円
で買収したが、現在まで計画はほとんど進んでいない。
市関係者や住民によると、買収開始から数年がたった約25年前、買収地の一部約6500平方
メートルで、市から草刈りなどの管理を依頼された住民らが畑を耕し始めた。現在は周辺住民
35~40人が畑を利用し、ハクサイやサニーレタス、ジャガイモ、エンドウマメなどを栽培。
出荷はせず、各家庭で個人消費しているという。市は一帯の土地の買収に約3億円を投じたが、
これまで住民に賃料などを一切要求してこなかった。
今年の3月議会でこの問題が取り上げられ、市は現地調査することを決めた。市環境部は
産経新聞の取材に「住民に現地の草刈りを任せたが、いつの間にか畑になっていた。
具体的な経緯は把握できていない」と説明。畑として利用しているのを知りながら住民に
注意することもなかったといい、目的外利用を半ば黙認していた格好だ。一方、「市有地で
得られた収穫物を個人消費しているのは問題」とし、今後は管理方法などを見直す方針という。
これに対し、市から市有地の管理を依頼され、自身も約25年前からダイコンやキュウリ、
トマトなどを育てているという無職男性(79)は、市の突然の方針転換に戸惑いを隠せない。
男性は「草刈りなどの管理を任された代わりに、住民で畑をつくった。(業者に依頼すれば年間)
100万円以上かかる草刈りをボランティアでやっている。畑をなくすというなら、具体的な
整備計画を示してほしい」と憤る。70代の女性は「健康管理の目的で野菜を作ってきた。
急に畑がなくなるのは…」と困惑する。
市の担当者は今後の方針について「明言はできない」としながらも、「住民が納得できる形で
整備を進めたい」と話している。
URLリンク(www.sankei.com)