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2016.4.13 05:01
★【主張】永住権の大胆緩和 人材確保につながるのか
外国人労働者の受け入れと永住権取得の大胆な緩和とは、性質が全く異なる政策である。
受け入れを急ごうとするあまり、強引に結びつけようとしているのであるなら、おかしい。
永住権の緩和は、4日に開かれた政府の経済財政諮問会議で、民間議員である新浪剛史サントリー
ホールディングス社長が、世界最速級の「日本版グリーンカード」の創設として提言した。
「通常10年、超高度人材でも5年かかる。このあたりを改める必要がある」と語り、
伊勢志摩サミットで「開かれた国」であることを示すよう求めた。
政府は「1億総活躍プラン」や骨太方針に向けて、検討を進めていくという。
だが、永住権の緩和には多くの課題がある。さまざまな角度からの検討が不可欠だ。
在留が無期限で、職業も自由に選べる永住権は、日本国籍を取得する「移民」に近づく。
これを大胆に緩和するとなれば、移民の大量受け入れと似た社会状況になりはしないか。
安倍晋三首相は「移民政策は考えていない」と明言している。日本の国柄をも大きく
変え得る重要な政治テーマでもある。そのあたりをどう考えているのか。
経済界が緩和を求める背景には、永住権を簡単にとれる国でなければ、高度人材確保をめぐる
国際競争に勝てないという理屈がある。だが、それで本当に日本社会が必要とする「人材」は
来日するのだろうか。
世界を股に掛けて活躍する高度人材は、自分の能力を発揮するに足る仕事内容や賃金などを吟味して判断する。
むしろ、多くの企業の本音は、単純労働者をはじめとする普通の人材の確保だろう。
自民党の特命委員会も「移民の寸前まで」の検討を進めている。永住権緩和の対象を拡大する
一方的な議論にならないか。
永住者が増えるということは、その家族も来日するということだ。社会保障や子供の教育と
いった生活インフラを税金で整える必要性が生じる。厳しい財政状況下で、どう財源を確保
するかも考慮しなければならない。
外国人労働者の拡大、永住権緩和はいずれも重要な政策課題だ。あえて混同させるような議論ではなく、
冷静な検討が必要だ。
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