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★台湾「中国に強制連行」と抗議 ケニアから45人移送
2016/4/12 23:13
【台北=伊原健作】中国と台湾の関係に緊張が高まっている。台湾当局は12日、
ケニアで国外退去処分を受けた台湾籍の45人が「大陸(中国)の圧力」で中国に
強制的に連行されたとして、中国に抗議したと発表した。台湾では1月の総統
選挙で独立志向を持つ民進党の蔡英文主席が大勝。5月に就任が迫っており、
中国側の対応は次期政権に対する圧力との見方が出ている。
台湾当局によると、連行された台湾籍の人物はほかの華人らとともにケニアに
不法入国し、組織犯罪などの疑いでケニア当局に摘発された。一部は無罪となり、
国外退去処分を受けた。11日時点ではそのうち台湾籍の8人が中国に強制的に送られ、
12日に新たに37人が送還されたことを確認したとしている。
「大陸で詐欺犯罪に関与した疑いがかけられている」(台湾当局)といい、
中国政府は身柄を自国に移して捜査する狙いとみられる。
台湾の馬英九総統は11日の会合で「我が国民を強制連行した」と強く批判。
民進党の蔡主席の側近、呉●燮(●はかねへんにりっとう)秘書長は12日午後に記者会見し、
「国民の人権と国家の主権を侵害したことに厳重に抗議する」との声明を読み上げた。
一方、中国外務省の陸慷報道局長は12日の記者会見で台湾メディアの質問に対し
「我が国はケニア政府が長い間『(台湾は中国の一部だとする)1つの中国』の原則を
堅持していることを高く評価している」と述べた。
台湾当局は中国に対し、ケニアから移送した全員を即座に台湾に戻すよう求めている。
また、別の台湾籍の5人が公判中のためケニアにとどまっており、今後同様に中国に
送られることを懸念しているという。
ケニアは台湾ではなく中国と外交関係を結んでいる。台湾を外交的に承認しているのは
世界で22カ国にとどまる。中国は3月、過去に台湾を外交承認していたアフリカ西部の
ガンビアと国交を樹立。台湾の友好国の切り崩しとみられ、台湾新政権をけん制する
動きが活発化している。
対中融和路線を採ってきた台湾の馬総統は昨年11月、中国の習近平国家主席と
シンガポールで首脳会談を初開催。この際の合意に基づき、緊急時に情報を
交換する閣僚級のホットラインを開設した。
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