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★【突破する日本】期待する要素がない民進党 共産党との「野党共闘」どう説明するのか
2016.04.08
民進党が３月２７日に結党した。読売新聞が４月１～３日に行った世論調査によると、
民進党の支持率は６％と、３月調査で、民主党と維新の党を合わせた数に届かなかった。
民進党への期待を尋ねたところ、「期待しない」が６０％に上ったという。
無理はない。民進党は、民主党とその離党組、旧みんなの党左派を加えたものに過ぎない。
党幹部も、綱領や基本政策も、民主党時代とほとんど変わらない。「保育園落ちた日本死ね！！！」
ブログを国会で取り上げて注目された山尾志桜里氏を政調会長に抜擢（ばってき）したが、
早速「政治とカネ」の問題が浮上した。期待する要素がほとんどない。
３月２８日、私は東京・有楽町のマリオン前で行われた「民進党はじめます。」全国キャンペーンの
キックオフ街頭演説会に偶然出くわした。党関係者と報道陣以外、一般の人たちはまばらで、
世論調査の数字を裏付けるものだった。
私が通りかかった際、代表代行の蓮舫参院議員が、埼玉県の女子中学生誘拐事件や、昨年発生した
川崎市の中学生殺害事件を取り上げて、「一体、いつからこの国はこんなになってしまったのか」と、
あたかもこれらの事件が、政治の責任であるかのように聞こえる演説をしていた。
野党各党とも、何が起きても安倍政権のせい、「風が吹けば桶屋が儲かる」ならぬ「安倍が悪い」
では支持は得られまい。民主党政権時にも痛ましい事件は起きている。自省とともに政治家ならば、
これらの事件が少しでも起きないような政策を具体的に立案してほしい。
それよりも、民進党に結集した人々に尋ねたいのは共産党との関係だ。７月の参院選の１人区や、
４月の衆院補選では共産党との「野党共闘」が検討されているようだ。
共産党の性格については、民主党を離党した鈴木貴子衆院議員が出した質問主意書に対し、
政府は３月２２日の閣議で、公安調査庁として「現在においても、破壊活動防止法に基づく
調査対象団体である」と、警察庁としても「現在においても、（中略）『暴力革命の方針』に
変更はないものと認識している」との答弁書を決定している。
共産党は、破壊活動や暴力革命を行う可能性が現在もあるとして公安当局から認識され、
調査対象にされているということだ。共産党は国会に議席を持つ政党としては特異な存在で、
共産党だけが公安当局からこのように扱われている。
《共産党の山下芳生書記局長は２２日の記者会見で『憲法違反の破防法の対象になるような
ことは過去も現在も将来も一切ない』と語った》
民進党には、保守派も、「反共」で知られた旧民社党出身者もいる。支持団体にも「反共」を
標榜する旧同盟系の労組がある。彼らは共産党とどう折り合いを付けるというのか。
説明が求められよう。
■八木秀次（やぎ・ひでつぐ） １９６２年、広島県生まれ。早稲田大学法学部卒業、
同大学院政治学研究科博士課程中退。専攻は憲法学、思想史、国家論、人権論。第２回正論
新風賞受賞。現在、麗澤大学教授。教育再生実行会議委員、法制審議会民法（相続関係）部会委員、
フジテレビジョン番組審議委員、日本教育再生機構理事長など。著書に『憲法改正がなぜ必要か』
（ＰＨＰパブリッシング）など多数。
URLﾘﾝｸ(www.zakzak.co.jp)