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★難民に紛れる「犯罪ツーリズム」独に新たな難題
フランスやベルギーから犯罪者が流入
2016 年 3 月 14 日 12:49 JST
【ベルリン】最近のある夜、ドイツの首都ベルリンとその周辺で店舗荒らしを
繰り返してきたと疑われるアルバニア人の窃盗団を警察が追跡した。
追跡劇は最終的に銃撃戦となり、逃走車を運転していた男が死亡。警察はその後、
窃盗団が「自宅」としていた住み処（すみか）から盗難品を押収した。
その場所は、市内に設けられた3カ所の難民キャンプだった。
大量に流入する難民・移民への対応で手一杯のドイツ当局は今、新たな問題に直面している。
欧州を起点とする「犯罪ツーリズム」だ。
この歓迎されざる客―その多くが東欧出身者か、もしくはすでに欧州大陸に根を下ろしている
北アフリカ出身の男たち―は、新たに到着する難民の中に紛れ込んでいるという。
昨年ドイツに入国した難民は110万人に達した。
ベルリンの警察労働組合でトップを務めるボド・ファルツグラフ氏は「現在押し寄せている
難民の波を考えると、ソーシャルネットワークでルート情報を交換しているのは難民だけでは
ないようだ」とし、「ハスラー（泥棒）もだ」と話す。
裕福なドイツは長年、外国の犯罪者を引きつけてきたが、最近の難民危機は欧州全域の犯罪者に
新たな機会を与えていると、治安当局は警告する。彼らは難民を格好の隠れみのにして、
時には戦争・政治難民のために備えておいた支援物資や補助金さえ受け取っている。
その対策として、各地の警察や当局は強制捜索を実施。保護を求める難民を装った窃盗犯を
あぶり出すため、難民シェルターをしらみつぶしに捜索している。1月に南部のバーデン・ヴュルテン
ベルク州にある難民キャンプで行った捜査で、当局はアルジェリア人の一団から指紋を採取し、
フランスとドイツの警察が連携してフランスでの犯罪歴を調べた。
その結果、40人の男のうち4人に強盗・窃盗の犯罪歴があり、有罪判決を受けていたことが判明。
地元警察の報道官によると、12人の男はフランス国籍を持っており、7人は難民申請の際に
複数の名前を使用していたことも分かった。
先月、警察は同じ州の別の難民キャンプで強制捜索を実施。アルジェリアとガンビア出身の
数人の男は以前、スペインやフランス、オーストリアで犯罪歴があることが分かった。
地元警察によると、身元が確認された34人のうち、11人が難民キャンプに不法に滞在していた。
この問題は政治的にデリケートな側面を持っている。最近実施された複数の世論調査によると、
ドイツ国民の過半数は難民に門戸を開く政府の政策を批判している。フランクフルター・アルゲマイネ紙の
アレンスバッハ世論調査研究所が先月行った調査によると、回答を寄せた国民の79％が難民の数が
増えれば犯罪が増加するとみている。
警察当局は外国人犯罪者のドイツ入国前の滞在国について統計をとっていない。
このため、問題の規模を測るのは難しい。とはいえ、警察やソーシャルワーカーらの話によると、
ドイツ全土で同じような状況がみられるという。
国内最大のドイツ警察労働組合（GdP）で副委員長を務めるアーノルド・プリッカート氏は
「北アフリカ出身の男らがフランスやベルギーを渡り歩いてドイツに入国し、
犯罪に手を染めているようだ」と話す。
ノルトライン・ヴェストファーレン州のラルフ・イエーガー内相はテレビ報道で、
北アフリカ出身の犯罪者たちは昨年11月のパリ同時多発テロ以降、警察による警備態勢が
厳格化されたフランスやベルギーから来ていると述べた。
フランスの警察当局は、犯罪者が最近ドイツに流れているという認識はなかったとしながらも、
パリ同時多発テロ後に強制捜索が実施されるようになってからフランスを出国した犯罪者が
いる可能性はあると述べた。 >>2へ続く
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