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★【静岡】外国人防災訓練 ここ2年開催されず
2016年3月8日
◆磐田市南御厨地区で
外国人住民が二割近くを占める磐田市南御厨(みくり)地区は、東日本大震災以前の二〇〇三年から、
外国人対象の地震防災訓練を実施し、全国的な先進事例として評価されてきた。〇八年のリーマン
・ショック以降、外国人の入れ替わりなどが原因で、訓練は徐々に下火となり、ここ二年間は開催
できていない。震災から五年を経た今、南御厨地域づくり協議会は、外国人の訓練のあり方を模索している。
一六年一月末現在、磐田市の人口十七万五百十五人のうち3・6%にあたる六千百六十六人をブラジル人や
フィリピン人ら外国人が占める。特に南御厨地区の県営団地と公団住宅がある地域は、人口千二百人の
半分の六百人を外国人が占め、突出している。
外国人の数が増えるにつれて、地区住民と摩擦が生じ始めた。ごみ出しのルールが守られなかったり、
深夜に大音量で音楽が流れたり。夏の夜は薄着で歩くブラジル人も多く「サンパウロと見間違える
ような状況だった」と、当時自治会長で現在は協議会副会長の杉田友司さん(76)は振り返る。
外国人との共生を目的に、〇三年から自治会が祭りやイベントへの参加を呼びかけた。外国人側の
リーダーも生まれ、夏は外国人を対象に、冬は地域住民と一緒に参加できる訓練を開いてきた。
夏の訓練には毎回百人以上が参加し、消火器の使い方や救急救命法を学んだ。積極的な取り組みが
評価され、自治会は〇六年度に総務大臣表彰を受けた。
しかし、リーマン・ショックの影響で帰国者が相次ぎ、築いてきた関係は崩れてしまった。
新たに来日した外国人同士のつながりも希薄になった。3・11後、訓練の重要性は再認識された
はずなのに、昨年とおととしは夏の訓練が開かれなかった。杉田さんは最近、「日本人と外国人を
区別する必要はないのではないか」とも考え始めている。
県営住宅近くの市多文化交流センターでは、学校帰りの日本人の子どもと外国人の子どもが、
一緒に宿題をする姿が見られる。団地や公団には日本人の高齢者も住んでいる。「いざという
ときは助け合わなければ」。協議会は、どういう訓練にしていくかを検討しながらも、
「今夏こそは絶対に復活させたい」と動き始めている。(石川由佳理)
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