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★【高市総務相電波停止発言】「高市さんに恥ずかしい思いをさせなければ」田原総一朗氏、岸井成格氏ら6人が抗議会見
田原総一朗氏、鳥越俊太郎氏、岸井成格氏ら放送業界で活動しているジャーナリスト有志が29日、
高市早苗総務相の「電波停止」発言に抗議する記者会見を東京都内で開き、「私たちは怒っている」
「発言は憲法、放送法の精神に反している」とする声明を発表した。
呼び掛け人には、田原氏らのほかに、田勢康弘氏(会見には欠席)、大谷昭宏氏、金平茂紀氏、
青木理氏が名を連ねた。
声明では、高市氏の発言が「放送による表現の自由の確保」を定めた放送法1条や「表現の自由」を
保障する憲法21条の精神に反していると主張。その上で「現在のテレビ報道を取り巻く環境が著しく
『息苦しさ』を増していないか」として、「自主規制、忖度、萎縮が放送現場の『内側から』拡がる
ことになっては、危機は一層深刻だ」と訴えた。
会見で、岸井氏は「高市発言にはあきれ果てた。憲法、放送法の精神を知らない中での発言であれば、
大臣失格だ。仮に曲解しているのであれば、『言論統制を進めたい』と思われても仕方がない」と
高市氏を批判。田原氏は「非常に恥ずかしい発言。全テレビ局の全番組が抗議すべきだが、
残念ながら多くの番組は何も言わない。高市さんに、恥ずかしい思いをさせなければならない」と訴えた。
また、鳥越氏は「安倍政権からの恫(どう)喝(かつ)、脅しだ。安倍政権のなめきった態度が、
高市発言となって現れた」と強調。「メディア内部に(政権への)遠慮がはびこっている。
このままでは日本は大変なことになる。戦前のようになるかもしれないし、全権委任法を受けた
ナチスのようになるかもしれない」とも訴えた。
会見で配布された声明文の全文は次の通り。
◇
「私たちは怒っている--高市総務大臣の『電波停止』発言は憲法及び放送法の精神に反している」
今年の2月8日と9日、高市早苗総務大臣が、国会の衆議院予算委員会において、放送局が政治的
公平性を欠く放送を繰り返したと判断した場合、放送法4条違反を理由に、電波法76条に基づいて
電波停止を命じる可能性について言及した。誰が判断するのかについては、同月23日の答弁で
「総務大臣が最終的に判断するということになると存じます」と明言している。
私たちはこの一連の発言に驚き、そして怒っている。そもそも公共放送にあずかる放送局の電波は、
国民のものであって、所管する省庁のものではない。所管大臣の「判断」で電波停止などという
行政処分が可能であるなどいう認識は、「放送による表現の自由を確保すること」「放送が健全な
民主主義の発達に資するようにすること」をうたった放送法(第1条)の精神に著しく反するもの
である。さらには、放送法にうたわれている「放送による表現の自由」は、憲法21条「集会、
結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」の条文によって支えられているものだ。
高市大臣が、処分のよりどころとする放送法第4条の規定は、多くのメディア法学者のあいだでは、
放送事業者が自らを律する「倫理規定」とするのが通説である。また、放送法成立当時の経緯を
少しでも研究すると、この法律が、戦争時の苦い経験を踏まえた放送番組への政府の干渉の排除、
放送の自由独立の確保が強く企図されていたことがわかる。
私たちは、テレビというメディアを通じて、日々のニュースや情報を市民に伝達し、その背景や
意味について解説し、自由な議論を展開することによって、国民の「知る権利」に資することを
めざしてきた。テレビ放送が開始されてから今年で64年になる。これまでも政治権力とメディア
のあいだでは、さまざまな葛藤や介入・干渉があったことを肌身をもって経験してきた。
現在のテレビ報道を取り巻く環境が著しく「息苦しさ」を増していないか。私たち自身もそれが
なぜなのかを自らに問い続けている。「外から」の放送への介入・干渉によってもたらされた
「息苦しさ」ならば跳ね返すこともできよう。だが、自主規制、忖度、萎縮が放送現場の「内部から」
拡がることになっては、危機は一層深刻である。私たちが、今日ここに集い、意思表示をする理由の
強い一端もそこにある。
〈呼び掛け人〉(五十音順 2月29日現在)青木理、大谷昭宏、金平茂紀、岸井成格、田勢康弘、
田原総一朗、鳥越俊太郎
URLリンク(www.sankei.com)