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★＜日本ペイント元役員＞資料持ち出し、違法性認識か
02月19日 23:27毎日新聞
日本ペイントホールディングス（ＨＤ、大阪市）の営業秘密漏えい事件で、
不正競争防止法違反容疑で愛知県警に逮捕された元同社執行役員で菊水化学工業
（名古屋市）の常務、橘佳樹容疑者（６２）が、遅くとも２０１１年６月には
営業秘密にアクセスしていたことが捜査関係者への取材で分かった。持ち出した資料には
「営業秘密」と明記されており、県警は橘容疑者が違法性を認識していたとみて裏付けを進める。
橘容疑者は日本ペイントで執行役員を務めた後の１０年４月、子会社の取締役に就任。
翌１１年６月から契約社員として１３年３月まで勤務していた。
捜査関係者によると、家宅捜索で橘容疑者方から日本ペイントの複数の製品の設計書を押収。
「営業秘密」と明記され、子会社で役員をしていた頃に日本ペイントのシステムにアクセス
して印字したとみられるものが交じっていたという。
橘容疑者は印字した設計書を自分のパソコンでパワーポイントを使って入力し直して資料を
作っていたといい、県警は橘容疑者が違法性を認識していたとみている。県警によると、
橘容疑者は逮捕容疑を否認しているという。【加藤沙波】
◇「依頼していない」菊水化学社長
菊水化学工業の山口均社長（６７）が毎日新聞の取材に応じ、「（橘佳樹容疑者が）
営業秘密を持ち出したという認識はないし、直接見せられたこともない。設計書の
持ち出しも依頼していない」と述べ、問題はないとの見方を強調した。
山口社長によると、橘容疑者とは約１５年前に知り合ったといい、「知識、技術、
経験があり、業界のことをよく知っている」と高く評価した。２０１３年２月に
菊水化学社長に就任した後、自ら説得して会社に招き入れたといい、
現在、２０種類以上の塗料開発に携わっているという。
日本ペイントホールディングスに自社製品との類似性を指摘されたが、検証した結果、
別の製品との結論に至ったと説明し、「今後も売る方針は変わらない」と話した。
【山本佳孝、谷口拓未】
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