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★持ち主不明の寄せ書き日章旗が70年の時を超え故郷・静岡に帰還 米民間団体が「茨原神社」の文字を見つけ 宮司「遺族見つかれば…」
2016.2.12 08:00
節分の日の2月3日、出征の地である静岡市清水区興津本町の茨原神社に、持ち主不明の
寄せ書き日章旗(出征旗)が奉納された。旗に出征者の名前がなく持ち主は不明だが、
旧日本兵の遺品返還に取り組む米国の民間団体「OBONソサエティー」が、書かれていた
神社名から茨原神社を探し出し、返還した。同神社の丸尾裕彦宮司(56)は産経新聞の取材に対し、
「遺族は見つかっていないが、旗だけでも故郷に戻って来られた」と、感慨深げに語った。
この出征旗は1944~45年にグアム、フィリピンのレイテ島などに配属されていた旧米兵が
所有していた。旗には、「茨原神社守護」、また、丸尾宮司によれば、当時の宮司である祖父、
丸尾磐根さんの署名が残されている。
丸尾宮司は「この町で暮らし、この町から出征し、旗だけでも故郷に戻って来られた。
遺族が見つかるまで、大切に保管したい」と話す。
男性の死後、旗を譲り受けた米フロリダ州在住の息子が、遺族への返還を同団体に依頼した。
旗を所有していた旧米兵の男性は生前、遺族への返還を試みたがかなわず、息子が現在まで
大切に保管していたという。
出征旗はふつう、右側に出征する兵士の名前が書かれ、周りに無事帰還することなどを祈念する
寄せ書きが記されている。だが、今回返還される旗は右側に「茨原神社守護」と書かれている
だけで、個人名の記載はない。
それでも、同団体は、所有者の「遺族に返還したい」という意志を尊重。同神社が静岡市清水区
興津本町にあることを突き止め、奉納にこぎつけた。
同団体の関係者は「神社に掲出してもらい、遺族が出てきてくれれば」と期待する。依頼を受けた
同町自治会長の斉藤見遙さん(68)は「『茨原神社守護』と書かれており、小さな町の神社だが、
そこで祈祷(きとう)を受けて出征した人なのだろう」と思いをはせる。
米オレゴン州に拠点を置く同団体は6年ほど前、戦後70年の2015年を見据え、
「OBON2015」の名称で発足した。
第二次世界大戦の戦利品として、旧米兵らが持ち帰った出征旗などの遺品を日本側に返還する
活動に取り組み、今年から名称を「OBONソサエティー」に変更した。
同団体によると、これまでに170枚近くの出征旗を収集し、うち46枚が遺族に返還された。
しかし、122枚は遺族が分かっていない。今回返還される旗もそのうちの一つだ。
同団体は「神社に奉納することで、遺族が判明するきっかっけになれば…」としている。
◇
茨原神社に奉納された出征旗に関する問い合わせ・情報提供は、同団体の工藤公督(こうすけ)さん
(電話番号はリンク先へ)。
URLリンク(www.sankei.com)
これまでに約170枚の出征旗を収集し、遺族への返還活動を進めている米国の民間団体「OBONソサエティー」(同団体提供)
URLリンク(www.sankei.com)
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