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★国の「民泊」新ルールは海外仲介業者に順守されるのか
週刊ダイヤモンド編集部 2016年2月2日
一般住宅に旅行者を泊まらせて代金を得る「民泊」をめぐって、新しいルール作りがいよいよ進み始めた。
東京都大田区は、国家戦略特区制度を活用して民泊の事業認定をスタート。
外国人旅行者が急増する中、空き家の活用で地域経済を活性化するのが狙いだ。
区が定めた要件を満たした事業者には旅館業法の適用を除外する。
主な要件は床面積25平方メートル以上、滞在期間6泊7日以上であることなどだ。
事前に防災面において最寄りの消防署に相談し、事業計画を近隣住民に周知徹底することなども盛り込んだ。
1月末から事業者の申請を受け付けるに当たり、直前に開かれた説明会には区の想定を
大幅に超える約200人が参加。民泊仲介サイト「STAY JAPAN」を運営する百戦錬磨では、
「区内の掲載物件を増やし、早期に100戸を目指す」と意気込む。
その他、大手事業者では大京やアパマンショップホールディングス、格安航空券予約サイト
「スカイチケット」を運営するアドベンチャーが参入に名乗り出ている。
盛り上がりを見せる一方、説明を聞いた事業者からは「6泊以上の縛りは正直やりにくい。
せめて3泊にしてくれれば……」「近隣住民との調整が難航しそうだ」など、不満や不安の声も上がった。
加えてこんな指摘もある。「法整備が進んでも、世界標準と異なれば、米Airbnbは守るのだろうか」(民泊関係者)。
同社は民泊仲介サイトの世界最大手。日本でも民泊を広め、その経済効果は2200億円ともいわれている。
しかし民泊は旅館業法上、“グレー”なビジネス。同社はルールが決まる前にサービスを拡大しており、
民泊のネガティブな面を浮き彫りにしたのもまた事実だ。騒音やごみの出し方などマナーに対する
住民の苦情も引き起こした。
こうした問題を解決するため新しいルール作りが進んでいるわけだが、
「世界190カ国で200万戸以上を扱う彼らが、日本ルールに合わせるだろうか」と前述の関係者はいぶかる。
Airbnbホスト(部屋を貸す人)も旅館業法違反を自覚しつつあるが、無許可営業が黙認されているのが現状だ。
同社はホストに対して旅館業法の取得を積極的に働き掛けてはいない。
■全国解禁は進むか
国は、特区制度と並行して、現行制度の規制改革に動いている。民泊を旅館業法上でカプセルホテル
などと同じ「簡易宿所」扱いにし、民泊限定の新基準を設けて、規制を緩める検討を始めた。
さらに仲介事業者にも、何らかの規制を設けることを検討している。
しかし、海外事業者や、外国人ホストにも強制力のあるルールになるかは未知数だ。
ニーズと規制の折り合いをどうつけていくか、暗中模索が続きそうだ。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 柳澤里佳)
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