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★フランス人と似ている日本人。テロ多発地帯になる可能性とは
2015年12月18日(金)6時0分配信 週プレNEWS
鈴木宗男・新党大地代表と、元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏による対談講演会「東京大地塾」。
前編(「フランスではまたテロが起こる? 心の空白を埋めることができない世界のイスラム化 」)に続き、今
回は追い詰められたイスラム国と今後の中東を分析。
■フランスと日本は国民性が似ているのでテロに狙われやすい
佐藤 ただし、今起こっているテロは「イスラム国」が追い詰められているからとみるのが正しい。
その原因はロシアの空爆と、地上ではイランのイスラム革命防衛隊による皆殺し作戦です。
イラクで正規軍が「イスラム国」から拠点を奪還したという報道がありますが、あれはイラク軍の制服を着た
イラン革命防衛隊の将兵たちです。そしてこの攻撃に「イスラム国」は相当参っている。このままでは拠点を維持できないし、
攻撃をやめさせないといけない。そのためには弱い所を狙おうということで、まず10月31日にロシアの飛行機を爆破した。
この狙いはロシアではなくエジプトです。エジプトは観光に依存しているから、民間航空機を爆破することで
観光客をエジプトから遠ざけ、経済的に疲弊させることを狙ったんです。
次に狙われたのが、日本ではほとんど報道されてないけれども、11月12日にレバノンの首都ベイルートで
イランに近いシーア派の人たちが被害に遭った爆弾テロ。これも、イランには勝てないけれどもシーア派は皆殺しにしてやるということでしょう。
そして一番弱いと狙われたのがフランス。
「イスラム国」はその革命手法をレーニンから学んでいます。レーニンは「帝国主義は、世界的なネットワークの鎖で
結び合っている」と考え、「その鎖をギュッと引っ張れば、一番弱い部分から切れる」と考えていた。
当時、レーニンはその脆弱性がロシアにあるとして、共産主義革命をロシアから起こしたんです。
そして「イスラム国」は西側の中で一番脆弱で、引っ張ったらギュッと切れるのはフランスだということで11月13日のテロを起こした。
なぜフランスは弱いのか? ドイツやイギリスは「よそ者は出ていけ!」と平気でできるけれども、
フランスはフランス語を覚え、フランス的な原理を受け入れるならフランス人と認める理念国家。
移民の拒否は難しいし、個人主義の国でもある。その脆弱性を狙われた。
そして同じような危険は日本にもあります。「イスラム国」はフランスには空爆をやめろと要求しましたが、
日本にはテロ対策のための経済支援をやめろと要求してくるでしょう。
ただし、日本の警察は優秀なので、日本で爆弾テロをやるのは難しい。しかし、6月に高齢者が新幹線で焼身自殺しましたよね。
それと同じようなことをされたら防げないし、もしかすると在来線でやるかもしれない。
実際にテロに遭遇するリスクは、工事現場を通ってコンクリート片が落ちて当たって死ぬのと同じくらいの低い確率でしょう。
しかし、報道されれば体感としてのリスクは大きくなる。その時、「イスラム国」から「日本は対テロ支援から手を引け。
イスラムの地から手を引け」との要求が来たら、政府は、日本国民はどんな対応をするか?
そこで日本が言うことを聞けば、日本はテロ多発地帯になるし、世界で似たようなテロも発生するでしょう。
だから政府は毅然(きぜん)たる対応をしないといけない。ただ問題は、その場合、政府を国民がどれくらい信用するかです。
日本国民は、余計なことには関わりたくないというフシがある。その点はフランス人の対応と似ている。
そういう意味で、日本はテロが起きた時は怖い事態になりやすいし、それゆえテロが起きやすいと言えます。
鈴木 中東はこれからどのようになっていくんでしょうか?
佐藤 中東の主要なプレイヤーはトルコ、イラン、サウジアラビア、エジプト、イスラエルの5ヵ国ですが、
これらの国が、問題ごとに組み合せが変わるのが厄介なんです。
>>2へ続く
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