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★【茨城】常総市 水害から3カ月 被災者の生活再建は道半ば
2015年12月10日
九月十日に鬼怒川が決壊した関東・東北水害から三カ月。穏やかな日常生活を一変させた豪雨が
もたらした被害からの復旧はいまなお道半ばで、常総市では多くの被災者の生活再建への模索が続いている。
(増井のぞみ)
鬼怒川の水が最初にあふれた同市若宮戸の会社員、石塚政弘さん(47)の自宅には床上まで泥が流れ込み、
大木が突っ込んできた。妻と高校生の子ども二人を市内のアパートに避難させ、自分は防犯のため蔵の二階で生活する。
地区の鬼怒川には人工の堤防がない区間が一キロ近くあり、水は自然の砂丘を越えて襲ってきた。
十月末から石塚さんは、ボランティアと自宅周りに一・二メートルの高さまで土のうを積み上げた。
さらに土手を造り、自前の堤防を築くつもりだ。
石塚さんは「次、いつ大雨が降るか分からず、堤防が完成するまで安心できない。この土手を水害の記憶にしたい」と意気込む。
同市相野谷町で被災した日系ブラジル人三世の柴田キヨシさん(35)は、犬五匹と暮らすため、同市豊岡町の避難所の
敷地にテントを張り生活していた。避難所が閉鎖され、自宅の賃貸住宅に帰ると、トイレや風呂、台所は故障したまま、
天井までカビだらけだった。十一月末、ペットが飼える公営住宅への入居を市に打診されたが、既に自費で資材を購入し、
応急処置を済ませた後だった。「もっと早く知らせてくれればいいのに」。柴田さんは嘆いた。
常総市原宿の晝間(ひるま)きよ子さん(67)は、市内で十四年間、居酒屋を営みながら暮らしてきた。濁流に流され、
顔まで水に漬かりながら耐え、約七時間後にヘリコプターで救助された。賃貸の一戸建て住宅は半壊と判定された。
しかし、出身地のつくば市から住民票を移していなかったため義援金を受け取れないと知り、途方に暮れている。
市によると、半壊世帯への義援金は八万円だが、受け取るためには罹災(りさい)証明書と住民票が必要になる。
晝間さんは「全国から寄せられた義援金も受け取れず、災害にやられっぱなしなのか」としょげ返る。
東日本大震災で給付実績がある仙台市は「居住実態があれば、柔軟に対応する。被災者の生活再建のため善意を
等しく配分することが大事。厳しくすることではない」と説明する。
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