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★「自衛隊バッシングだ」抗議受け展示撤去 北海道博物館
花野雄太、松本理恵子2015年11月20日09時07分
北海道博物館（札幌市厚別区）の自衛隊基地問題をめぐる常設展に
「自衛隊バッシングだ」などと抗議があり、同館が１０月上旬に資料の
一部を撤去して差し替えたことがわかった。小川正人・同館研究部長は
「意見を踏まえた自主的な判断で、政治的な圧力に屈したわけではない」と説明している。
博物館によると、撤去したのは、北海道長沼町の航空自衛隊ミサイル基地建設をめぐる
「長沼ナイキ訴訟」で使われた「自衛隊違憲判決を！」などと書かれたたすきと、
陸上自衛隊矢臼別演習場（別海町など３町）で２０１３年に起きた米海兵隊による
誤射事故の地図パネル。自衛隊の災害救助活動を紹介する写真パネルなどに差し替えた。
同館は道立で、４月の開館後、来館者アンケートや電話などで少なくとも１０件程度、
抗議があったほか、自民党道議からも「内容が偏っている」と展示変更を求められたという。
（花野雄太、松本理恵子）
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★北海道博物館展示、抗議で変更 「自衛隊への批判目立つ」
４月に開館した北海道博物館（札幌市厚別区）が、自衛隊の基地問題を扱ったコーナーについて、
外部から「自衛隊への批判的な視点が目立ち偏っている」と抗議を受け、展示内容の一部を
１０月上旬に変更した。自衛隊の違憲性を争った長沼ナイキ訴訟に関連して使われた
「自衛隊違憲判決を！」の文字の入ったたすきなどを展示から外し、自衛隊の災害救助活動の
写真パネルなどに替えた。同館は自衛隊をめぐる多様な見方を紹介する趣旨を明確にするためと
説明するが、専門家は外部からの意見で展示内容を変えたことを疑問視している。
展示が問題となったのは、常設展の中の「アジアの戦争と北海道」のうち、自衛隊基地問題を
扱ったコーナー。撤去した２点は、長沼ナイキ訴訟に関連して使われたたすきと、陸上自衛隊
矢臼別演習場（根室管内別海町など３町）での誤射事故の着弾地点などを示す地図パネル。
コーナー全体では、資料やパネル約２０点を並べ、道内の自衛隊基地をめぐる歴史や訴訟などを
解説している。
同館は、たすきについては、文言を館側の主張ととらえる人が多く、自衛隊基地をめぐる多様な
意見を紹介する趣旨が伝わっていないと判断。地図パネルは、道内にも米軍基地問題が存在する
ことを示す狙いだったが、自衛隊による事故と誤認される可能性があるとして撤去した。
同館によると「偏っている」との声は開館直後から、来館者アンケートや手紙などで寄せられた。
自衛隊員の家族から「見学で訪れた子供がショックを受けている」と抗議も受けた。
さらに道議会自民党・道民会議の藤沢澄雄道議（日高管内）も５月以降に、道幹部と意見交換
などをした際に「反自衛隊の立場に偏っている」と展示の変更を求めていた。
同館幹部によると、８月から展示のあり方について内部協議を開始。担当した複数の学芸員で話し合い
「子供の心を傷つけてまで展示するのは本意ではない」との判断に至り、１０月上旬に変更した。
新たに加えたのは、１９９３年の北海道南西沖地震で自衛隊の救助活動を伝える写真パネルや
自衛隊の基地建設を求めるチラシ、米海兵隊が起こしたことを明記した矢臼別演習場誤射事故の
地図が載った冊子などの計５点。
石森秀三館長は展示の変更について「当初の資料も歴史的事実で、間違った展示とは思っていない。
政治的な圧力に屈した訳ではなく、さまざまな来館者の意見を踏まえて、自衛隊に対する多様な
見方を紹介する本来の趣旨が伝わるよう一部を差し替えた」と語る。同館では、他のコーナー
でも来館者らの意見を踏まえ、資料に解説文を新たに付け加えるなどの変更はしている。
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外部からの抗議を受けて北海道博物館が展示から外したたすきと矢臼別演習場誤射事故の地図パネル
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