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★ホテル不足の“救世主”のはずが…問題だらけの「民泊」
2015年11月13日 7時0分 東スポWeb
京都市でマンションを無許可のホテルとして営業し、中国人観光客を宿泊させていたとして、
都内の旅行会社役員と、山形市の旅行代理店役員が先日、京都府警に事情聴取された。
２人は７月から１０月にかけて京都市内のマンションの空き部屋に中国人の団体客を有料で宿泊させた疑い。
その数は計３００人に上り、２人は近く書類送検される見込みだ。ホテル不足の救世主と思われた「民泊」だが、
いろいろ問題があるようだ。
本来、宿泊施設ではない部屋に宿泊する民泊は、もともと海外で仲介サイトを通じて盛んに行われていた。
国内でも近年、外国人観光客の増加や空室対策の必要性とともに注目が集まり、安倍晋三首相（６１）が
先月の規制改革会議で、一般の家に客を泊めて料金を取る民泊の拡大に向けた規制緩和を検討するよう指示した。
大阪府で民泊を認める条例が可決、東京・大田区でも近く認められる。
とはいえ、多くの自治体は公的に認めておらず、現時点での民泊はあくまで“闇ホテル”として運営されている状態だ。
旅行業界関係者は「今回発覚したような問題の背景にはやはり、中国人の団体を受け入れないホテルが多いというのがあります。
すでに知られているように中国人観光客は部屋や食堂を汚し、物を壊す、深夜も早朝も大声で騒ぐ、どこでも記念撮影をする、
などとトラブルが多い。具体的に被害がないところでも、他の日本人宿泊客が嫌がるので、日本人が泊まっている時には
中国人観光客の団体を受け入れたくないという施設は多いですよ」と説明する。
押し寄せる中国人の受け入れ態勢が整っていないため、闇ホテルに頼らざるを得ないようだ。
「そもそも中国人でなくても、一度に５０人、１００人の団体を受け入れられる宿泊施設は限られる。
そういうホテルや旅館は修学旅行の団体の予約がかなり先まで埋まってしまっているので、個人ならともかく、
団体の中国人観光客が予約を取るのはなおさら難しくなってきます」（前出の関係者）
地域によっては、修学旅行などの団体を受け入れられる宿泊施設がほとんどないことも。
そのため、一度生徒が問題を起こしてその施設から宿泊拒否をされると、学校側は翌年から
修学旅行の行き先自体を大幅に練り直さなければいけなくなるケースもあるという。
そんな状況だけに、中国の団体ツアーを受け入れるのはどうしても難しくなってしまう。
需要が高まる民泊だが、旅行業法との抵触から、自治体も安易に推進できない。
実際、海外では民泊で多くのトラブルが発生している。
「部屋を汚される、家具や家電を壊される、信じられない金額の光熱費の請求が来る、
大騒ぎされて近所から苦情がくる、など。これは中国人、欧米人に関係なくどこの国でも一緒。
中には部屋を貸したら乱交パーティーを開催された、という例もあります」（前同）
民泊についてはもう少し議論される必要がありそうだ。
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