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★【国際情勢分析】奮闘する上海日本人学校 海外唯一の高等部は124人在籍 政府の援助なく資金難も…
2015.11.8 15:00
海外に在住する日本人の子供のため、文部科学省が教育施設として認定している世界89都市の
「日本人学校」の中で、唯一の「高等部」(玉野井敬治校長)が上海で奮闘している。
市内2カ所に分かれた上海日本人学校。国際金融センターのある浦東新区の校舎に隣接する
マンション施設の一部を間借りして2011年に開校。今年9月末の段階で3学年に計124人が
在籍している。1学年は2クラスで、「学校全体が一つの家族みたいな感じ」(1年生の遠藤寧々さん)
だという。
■反日デモ時に交流行事
今年3月に卒業した2期生は41人。進学先は東京大など国公立4人、早慶上智や中央、芝浦工業、
法政、中京、同志社、関学など多彩な私立大が計32人のほか、地元の名門、上海交通大にも1人が進学した。
推薦入学を受け入れてくれる協力大学が日本に11校あるのも強みだ。
とはいえ日本人学校は幅広く在留邦人の子弟を受け入れるのが原則で、高等部だからといって日本の
進学校のような厳しい入試があるわけでもない。玉野井校長は「学力は偏差値70を超えるレベルから
40までさまざま。両親の一方が外国人など多文化の背景を持つ生徒も少なくない。バラエティーに
富んだ生徒の存在が財産だ」と話す。
むしろ生徒たちは中国という難しい生活環境にもまれて暮らす中、粘り強さやしたたかさを学んで
きたのかもしれない。例えば、中国全土で反日デモが吹き荒れた12年秋、高等部の生徒は教員や
保護者の心配をよそに、計画してきた日中文化交流イベントで地元校との交渉を続けて、予定通り実行した。
授業は毎日8時間目まで。放課後や週末も18人の教員が手弁当できめ細かく指導する。中国語は必修。
生徒自らがテーマを見つけて英語や中国語で論文を書く「探究」という大学のゼミに似たカリキュラムもある。
生徒から「ノボリン」と呼ばれて慕われている登り山和(かず)希(き)教諭は「どんな国際情勢にあっても
(将来的に)中国と関わり続ける新しい価値観を持ったグローバル人材を一人でも多く育てたい」と
目を輝かせた。
上海に高等部が設置された背景には、00年ごろからの日中経済関係拡大に伴う在留邦人の急増がある。
日本人家庭が多く暮らす虹橋地区の校舎で、小中学校の在籍者は01年に計約700人だったが、
06年に3倍以上の2400人を突破。この年に浦東新区にも校舎を開校した。
子供が高校入学の学齢となるタイミングで帯同家族は帰国せざるを得ず、駐在員が相次ぎ単身赴任を
余儀なくされる事態に頭を痛めた関係者が知恵を絞った結果、2000社以上の日系企業が加盟している
経済団体の上海日本商工クラブや、上海の日本総領事館などがオールジャパンで挑み、日本人学校で
世界初の高等部設置にこぎ着けた。
だが、開校に前後して国際情勢が急速に変化した。日中間の政治問題に加え、中国経済そのものの
変調や円高局面から一転した円安環境で、中国駐在員を引き揚げる日本企業が続出。大気汚染の
深刻化など環境問題も追い打ちをかけた。 >>2へ続く
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