15/10/24 21:39:16.80
★「こうなったのは誰のせいなんだ!」 TPP 激しく火花散らした甘利、フロマン両氏
2015.10.24 08:32
環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉が大筋合意に達した今月5日。
交渉参加12カ国の閣僚会合が行われた米アトランタのホテルの一室で、交渉責任者のTPP担当相、
甘利明は米通商代表部(USTR)代表のフロマンとがっちりと握手し、互いの労をねぎらった。
「お互いに大変だったな…」
フロマンは大筋合意後の記者会見で、隣に座る甘利の空のグラスに自ら水を注ぎながら、謝意を示した。
ただ、その直前まで甘利は「もたもたせず各国と同時進行で調整を進めてくれ」とフロマンに
厳しく注文を付け続けた。気を緩めれば、TPP交渉が漂流しかねなかったからだ。
実際、日本が正式参加した平成25年7月以降、甘利とフロマンのやり取りは、
事務方が息をのむほど緊迫した場面の連続だった。
「一体、こうなっているのは誰のせいなんだ!」
約3カ月前の7月31日。前回の閣僚会合が開かれた米ハワイのホテルの会議場に、
甘利の怒声と「ダーーン!」というテーブルをたたく音が響きわたった。
会場は一瞬にして静まり返る。前回会合で大筋合意が見送られた瞬間だった。
甘利はこの日、フロマンから何度も発言を求められたが、沈黙を続けていた。
フロマンは国内調整の遅れを理由にして譲歩案を示さず、なかなか交渉をまとめようとしない。
難航する責任を日本に押しつけられかねなかったからだ。
会合の終盤、甘利は臨席の首席交渉官、鶴岡公二の制止も聞かず、沈黙を破って奇襲を仕掛けた。
「皆さん、今から重要なことをお話しします。聞いてください」
そう切り出すと、自動車分野などに関する日米協議の経緯を暴露した。
2国間協議の中身をさらけ出すのは異例のことだが、事前交渉の結果を閣僚会合の場で
袖にするような米側の不誠実さを明らかにするためだった。そして声を荒らげ、テーブルをたたいた。
これまでも甘利とフロマンは水面下で情報戦、神経戦を繰り広げてきた。
最大のヤマ場は昨年4月の米大統領、オバマの来日のときだった。
甘利は昨年4月23日、オバマと首相、安倍晋三の首脳会談を前にしてフロマンと
都内で閣僚協議を行ったが、接点は見いだせなかった。
同日深夜、甘利の携帯電話が鳴った。安倍からだった。
安倍「いま大統領と話したけど、豚肉関税の“落としどころ”はこんな感じじゃないの?」
甘利「その通りです」
安倍「じゃあ、その線でもう少しやってみて」
安倍は電話の直前まで来日したばかりのオバマと東京・銀座の老舗すし店で夕食をともにしていた。
オバマはすしを味わうのもほどほどに、TPP日米協議の中身に踏み込んできた。
予想外の展開だったが、普段から「安倍(A)-甘利(A)ライン」で情報共有は密だった。
安倍は協議で優位に立てる落としどころを直感したのだった。
甘利は電話を切ると、深夜にもかかわらず、フロマンとの協議を再開させる。
オバマから引き出した安倍の案を伝えると、寝耳に水の提案だったのだろう、フロマンはたじろいだ。
フロマン「朝までとことんやろう!」
甘利「朝は天皇陛下が出席される大統領の歓迎式典がある。それでも協議を続けるの?
(式典に出ないと)日本では不敬にあたるけど…」
翌24日午前3時になっても粘るフロマンに式典の重要性を諭しながら協議を打ち切った。
疲れていたわけではない。ここで豚肉関税だけをまとめては協議全体として得策ではないと判断し、
あえて細部を詰めなかったのだ。
日米最大の対立点だった豚肉の協議で、関税撤廃を強く迫る米国を相手に日本が落としどころを
描くという、日本側に大