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2015.10.21 Wed
★猪口邦子議員からいきなり本が送られてきた―「歴史戦」と自民党の「対外発信」
山口智美 / 文化人類学・日本研究
猪口邦子議員から届いたパッケージ
URLリンク(synodos.jp)
10月1日、アメリカのモンタナ州に住む私の勤務先大学の住所宛に、自民党の猪口邦子参議院議員
からのパッケージが届いた。私は猪口議員と面識はない。封筒には、送付元として猪口議員の名前と
肩書きが書かれ、気付としてフジサンケイ・コミュニケーションズ・インターナショナルの住所が記載されていた。
封を開けてみると書籍が2冊とネット記事のコピーが3部、猪口議員がサインしているカバーレターが入っていた。
同封されていた書籍のうちの一冊は、Sonfa Oh, Getting Over It? Why Korea Needs to Stop Bashing Japan
(Tachibana Shuppan 2015) 。呉善花『なぜ「反日韓国に未来はない」のか』(小学館新書 2013)の
大谷一朗氏による英訳版だ。英訳版の版元はたちばな出版となっている。
もう一冊は、The Sankei Shimbun, History Wars: Japan- False Indictment of the Century 産経新聞社
『歴史戦?世紀の冤罪はなぜ起きたか』(産経新聞出版 2015, 古森義久監訳) 。これは、産経新聞社
『歴史戦?朝日新聞が世界に巻いた「慰安婦」の嘘を討つ』(産経新聞社2014)のダイジェスト英日対訳版だ。
■アメリカの研究者らの反応
アメリカの研究者の友人などに聞くと、これらの書籍が自民党国会議員から届いたことについて、
苦笑と共に呆れ果てた反応が多かった。何度となく、書籍、パンフ、メールなどを送られ続けて
きている日本研究分野の研究者も多いが、今回は国会議員からということで、またか、という
感覚と共に、より驚き呆れたという反応が多いようだ。
そして、自民党内のチームが執筆したという手紙についても、「ひどい」の一言であった。
私もパッケージが届いた日にちょうど日本研究の授業があったので、学生に、手紙の内容を
読んで聞かせ、届いた書籍を回覧したところ、唖然としていた。「これで説得できると本気で
思っているんだろうか」という反応だった。さらには、封筒に書かれた宛名の「M. 」という部分も
苦笑を誘っている。宛先の研究者について全く知らず、調べもせずに送っていることが伺えるからだ。
自民党や右派の個人・団体が、右派論者や新聞社の書籍英訳版を北米の研究者らに送るという活動が、
「北米研究者らにこれらの書籍を読んでもらい、自分たちの考えをアピールし、説得する」
という目的だとしたら、効果があがっているとは思えない。
ただ、もしかしたら、自民党及び右派活動家の狙いは、北米研究者など実はどうでもよく、
それらの本を「送った」という事実をもって、国内のサポーター向けへのアピールをする
ことなのかもしれない。実際、それくらいしか、こうした文献や書籍を送りつけることの
効果はないのではないか。
にもかかわらず、このような「対外発信」を続ける与党自民党の目指すものは一体何なのか。
これでは、日本の評価はますます下がるばかりだろう。こうした「対外発信」の結果、
日本で歴史修正主義が蔓延していることだけは確実に海外に周知されている。
※抜粋。長いので全文はソースで読んでください。
URLリンク(synodos.jp)