15/10/17 11:41:17.75
★【世界記憶遺産】南京登録は日本外交の“敗北” 松浦前ユネスコ事務局長「部分的に取り消す手順ある」
2015.10.16 22:21
国連教育科学文化機関(ユネスコ)の事務局長を務めた松浦晃一郎元駐仏大使は16日、
産経新聞の取材に対し、中国が申請し、記憶遺産に登録された「南京大虐殺文書」について
「日本は早急に反論すべきだ」と述べた。登録の可否を事実上決定する国際諮問委員会
(IAC)に、資料の一部を登録から取り消す権限があることも明らかにした。
また、登録は日本外交にとって“敗北”との認識を示し「中国の中長期の作戦に気づかず、
対抗手段を取ってこなかった」と批判。記憶遺産事業の制度改革のために
「日本と同じ考えを持つ国と手を結ぶべきだ」と指摘した。
松浦氏は、登録全体の取り消しはできないとした上で、資料の一部に登録の基準となる
「世界的意義(普遍的価値)」と「真正性」で問題点があれば、IACがその部分に
限って登録を取り消すことは可能だと説明。ただ手続きは「容易でない」とも述べた。
登録までの過程の不透明さなどが指摘される制度の改革に対しては、毎年2回開催される
執行委員会(58カ国の政府代表で構成)の3分の2以上の賛成が必要なため、
賛同国を募る取り組みに早急に着手すべきだと強調。「ボコバ事務局長も透明性を
持たせるシステムを作らないといけないとの問題意識を持っている」と指摘した。
一方で、ユネスコ予算の分担金を停止することについては「日本の意思表明として言うのは
悪くないが、“脅かし外交”は今の国際社会では反発を招く」と述べ、否定的な見解を示した。
◇
松浦氏のインタビュー要旨は次の通り。
【登録取り消し】
やるべきことは(登録された)文献が本当に当時の物かの検証。当時の物であっても
インチキな情報が入っていたら世界的な重要性があるとはいえない。学者を動員して
問題点を指摘した文書を作って、(世界記憶遺産を審査する国際諮問委員会=IAC=の)
関係委員に送るべきだ。そういう反論をしっかりやる。IACの権限で登録を部分的に
取り消す手順もある。きめの細かいしっかりとした検討をしないといけない。
【記憶遺産事業の制度改革】
「南京大虐殺文書」のように(中国が)政治的狙いを持ち、日中の意見が平行線をたどって
いる中で、片方の国が相手国と相談しないで申請してくることは想定していないし、
それを公正に吟味するメカニズムがない。58カ国の執行委員会の決議で3分の2の賛成を
得てルールを変え、(登録に)透明性を持たせるシステムを作らないといけない。
そのためには同志を募らないといけない。
【ユネスコ分担金】
憤慨しているという日本の気持ちを菅義偉官房長官が表明する意味では良かったが、
分担金を止めるのはユネスコの事務局いじめ。脅かし外交は国際社会で反発を招き、
かえって同志を募れず制度改革できない。そうしたら中国や韓国は堂々と今の制度で
2年後に慰安婦を登録してくる。
【南京登録の敗因】
中国は中長期の作戦でしっかりした学者のネットワークを作ってきたが、日本はそれに
気付かず対抗する手段を取ってこなかった。油断という言葉が当てはまるかもしれない。
また、ユネスコのシステムに、こうした事態に対応するような透明性がなく、
中国に使われてしまった。
【ボコバ事務局長の評価】
ユネスコの運営に関して彼女のリーダーシップが弱いとの評価が他国の大使などからある。
ただ、今度の問題で彼女が中国と手を組んだことはない。申請案件審査の段階で事務局長まで
(話が)上がったとは思わない。IACで決定していたので彼女は追認するだけ。
それを彼女が拒否するのは、よほどプロセスに欠陥がないとできない。
URLリンク(www.sankei.com)