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★ミャンマー総選挙 覚醒した少数民族政党 各地で勢い、連立のカギ握る
産経ニュース / 2015年10月14日 8時27分
2011年の民政移管後初となる11月8日のミャンマー総選挙まで1カ月を切った。
前回総選挙をボイコットしたアウン・サン・スー・チー氏率いる野党、国民民主連盟(NLD)の
躍進が予想されるが、軍系の与党、連邦団結発展党(USDP)から政権を奪取できるかは、
同じく議席増が見込まれる少数民族政党がカギを握る。政治に目覚め始めた地方都市の
現状を報告する。(ミャンマー西部シットウェ 吉村英輝)
ミャンマー連邦選挙管理委員会は13日、総選挙の延期を主要政党に打診したとの情報も
一時流れたが、その後、当初日程通りに実施すると発表した。選管は延期理由に今夏の
洪水被害を挙げ、NLDは延期に反対で、USDPは賛成したとされる。
NLDは都市部で人気が高いのに対し、西部ラカイン州の州都シットウェで圧倒的支持を
集めるのはアラカン国民党(ANP)だ。同国で4%を占めるラカイン族のための政治を掲げる。
多くの地方で、ANPのように民族主義色を強める少数政党が勢いを伸ばしている。
党本部で取材に応じたANPのエイ・ヌ・セイ副議長は、「(ラカイン州内の)予想得票率は95%」
と言い切った。同州で増えるイスラム教徒の少数民族ロヒンギャの多くが投票権を失ったことも、
有利に働くとみる。
「ロヒンギャは国境を接するバングラデシュからの不法移民だ。国内に135存在する少数民族ではない。
にもかかわらず前回総選挙では投票権が与えられ、市民権付与をちらつかせたUSDPに投票した」
前回総選挙では、ANPの前身政党にイスラム教徒もいたが、今回はゼロ。地方議会も含めて
今回の候補者77人もすべて仏教徒だ。
「イスラム教徒の男は妻を4人も持ち、子供を何十人もつくる。ラカイン族が駆逐されてしまう」という
女性副議長の怒りは、USDPやNLDの主要な構成民族で、人口の約7割を占めるビルマ族にも向かう。
USDPを「不法移民流入を許してきた」と批判し、返す刀でNLDを「弱腰」と切り捨てた。
同党が候補者からイスラム教徒を除外しておきながら、仏教団体が推進する「民族保護法」について、
「イスラム教徒を抑圧するものだ」と人権団体から批判されると、反対を唱えたためだ。
ラカイン州では12年6月以降、仏教徒とイスラム教徒の衝突が相次ぎ、250人以上が死亡、
14万人が避難生活を強いられた。ただ、同州のフラ・テイン検事総長は、「保護や治安を強化し、
衝突は13年以降起きていない」と強調した。
ミャンマー上下両院の計664議席のうち、軍人には25%の議席が割り当てられる。USDPは
少数政党と連立を組んで25%を取れれば、大統領指名を含め政権獲得に必要な過半数を事実上、
維持できる。総選挙をめぐる駆け引きは予断を許さないが、少数政党がキャスチングボートを握る可能性もありそうだ。
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