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★[大弦小弦]東京五輪の招致スローガンは…
2015年10月12日 06:00
東京五輪の招致スローガンは「今、ニッポンにはこの夢の力が必要だ。」だった。
原発事故に苦しむ福島の人々をよそに、首都一極集中の祭典に税金をつぎ込む。
その後ろめたさを拭うために、「今だからこそ」という論法を使った
▼ライターの武田砂鉄さんはさらに、日本がニッポンに置き換えられたことを突く
(「紋切型社会」)。「日本は国(・)のものだが、ニッポンはみんな(・・・)のもの」
と読み解き、「五輪の主役を、国家から個人にスライド」させる効果があったという
▼間もなく私たちの手元に届くマイナンバーにも似たところがある。
法律は「特定の個人を識別するための番号」と呼ぶ。国家が個人を管理する目的がよく分かる
▼ところが呼び名に「マイ」と付いた途端、「私が持てる番号」「私だけの番号」
という響きが出る。間違いではないが、主役がスライドしている。見事な話術だ
▼同様の制度は1970年から浮上しては、国民監視を強化する「国民総背番号制」
と批判され頓挫してきた。今度こそ。国は知恵を絞ってきた
▼今回、総背番号制という批判が盛り上がらなかったのは、名付けの勝利か、無関心の広がりか。
「平和安全法案」に対して「戦争法案」。「普天間代替施設」に対して「新基地」。
意図を秘めた名付けを見逃さず、名付け直していく力を大切にしたい。(阿部岳)
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