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★【お金は知っている】北京の対日工作が始まった 共産党支配経済の延命に手を貸してはいけない
2015.10.02
中国の習近平国家主席は9月28日の国連総会演説で、「中国は永遠に覇権を追求せず、
拡張(政策)も行わない」と言ってのけた。南シナ海での埋め立てや日本周辺での粗暴な
海洋進出など、国際法無視にシラを切り通す魂胆丸出しだが、そんな場合、対外工作付きである。
日本のメディアに登場する中国専門家の言説をチェックしてみると、やはりそうだった。
北京による対日情報操作がどうやら始まり、今後さらに活発になるだろう。
安倍晋三首相に対し、習主席との「関係修復」を求める専門家たちが一斉に声を
上げ始めたのだ。手口はおしなべて「情緒作戦」である。習氏は「嫌日ではない」、
父親が「温厚」だった、出自が政治家の家系で安倍首相と共通する、習氏は安倍氏と
同様、戦争を好まない、という具合だ。日中首脳はひざを突き合わせて話し合えば、
日中友好関係を取り戻せるというおとぎ話を、情緒に弱い日本のメディアに書かせようとしている。
筆者が本欄でこれまで一貫して指摘してきたように、習政権の経済政策は八方ふさがりだ。
日本のカネも技術もとにかく欲しいのだが、日本企業の多くは中国からの撤退に腐心する。
その日本をつなぎ止めようと、上記の対日世論工作に躍起となる。
必要なのは、情緒を一切排した、徹底的なリアリズムである。「日中友好」がどう演出されようと、
習氏が珍しく笑顔になろうと、中国の対外膨張路線は不変である。共産党指令型経済が続く限り、
脅威は増長する。
グラフは中国の軍拡が2008年9月のリーマン・ショック後のドル増刷(量的緩和)と
同時並行して加速したことを示す。米連邦準備制度理事会(FRB)が供給する資金が
米金融市場で増殖したあと、中国に流入する。中国人民銀行がドルを買い上げて、
人民元資金を発行して不動産開発など固定資産投資を急増させる。膨張する元資金は軍事費の源泉となる。
経済・軍事膨張の方程式は、FRBの量的緩和政策が昨年10月に打ち止めとなって以来、
不調に陥った。ドル流入が見込めなくなったのだ。不動産ブームも冷え切っている。
そこで党は上海株価をてこ入れしたが、バブルとなって崩壊した。中国での投資家の大半は、
華僑資本と海外拠点を持つ国有企業である。手っ取り早く稼げる市場が見当たらなくなる途端に逃げ出す。
FRBの利上げは資本逃避をさらに加速させる。FRBはチャイナリスク増大が世界の
株式市場に波及するのを恐れて利上げを見送った。中国への依存度が高い米国や欧州の
経済界も対中宥和に傾きつつある。
安倍政権はここで、腹をくくるべきだ。習政権による党支配経済の延命に手を貸したところで、
チャイナリスクが緩和するはずはない。中国の市場自壊こそは党支配体制の改革を促すと、
米国を説得すべきだ。オバマ政権もこれまでのへっぴり腰をただすだろう。
(産経新聞特別記者・田村秀男)
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中国の軍事支出と人民銀行資金供給の推移
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