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★【酒井充の野党ウオッチ】毎日新聞世論調査室長の“ご指摘”に反論する そちらこそ安保法案反対デモを過大評価しすぎではないか?
2015.10.1 07:00
安全保障関連法案の成立が迫っていた9月17日、毎日新聞はインターネットのサイト上に
世論調査室長・平田崇浩氏の署名入りで「産経世論調査:安保法案反対デモの評価をゆがめるな」
と題した記事を掲載した。産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が9月12、
13両日に実施した合同世論調査で「安保法案に反対する集会やデモに参加したことがあるか」
を尋ねた結果について、産経の同15日付朝刊で「ある」が「3・4%にとどまった」と書いた
ことなどを批判する内容だった。「野党ウオッチ」の表題とは離れるが、「とても世論調査分析
とは呼べないもの」との指摘を受けた以上、きちんと反論しておきたい。
平田氏は、「安倍政権の応援団として、全国に広がる安保法案反対デモが気に入らないのは
よく分かる。『毎日新聞や朝日新聞はデモを大きく扱っているが、デモに参加しているのは
たった3・4%にすぎない』と言いたいのだろう」と書いた。
毎日新聞が、安保法成立が気に入らないのはよく分かる。連日のように安保関連法案反対の
デモを取り上げ、世の中の大半が法案に反対かのような記事を大々的に書いてきたのだから、
安保法成立が秒読み段階となり、よほど無力感が漂い、悔しかったのだろう。
推測するは自由だが、少なくとも私は「安倍政権の応援団」との自覚はない。
安倍晋三首相が取り組んでいることを私なりに取材して記事を書き、同様に現在は野党担当
記者として「おかしいなあ」と思うことが多い民主党など野党の動きを率直に書いている
だけである。毎日新聞は「反安倍政権の応援団」なのかもしれないが、私は「安倍政権の応援団」
などという矮小化したレベルで記事を書いていない。
平田氏は、産経・FNNの世論調査のサンプルが1000人であることから、「3・4%」を
有権者1億人にあてはめ、「安保法案反対デモの参加経験者が340万人に上る計算になる」
と記し、「大変な数字だ」と持ち上げた。
さらに、集会に参加したことがないと答えた人(全体の96・6%)のうち、「今後参加したい」
が18・3%いたことから、「回答者全体の17・7%がデモ・集会に参加したいと考えている
計算になる」と指摘。「3・4%」と合わせ有権者1億人にあてはめると2000万人だとして、
ご丁寧にも「『安保法案に対する世論の反発の大きさを示した』と書かなければならない」との
“ご指導”も承った。
一方で、平田氏は「1000サンプル程度の無作為抽出調査では、パーセンテージで通常
3~4ポイントの誤差が生じるとされる。にもかかわらず、3・4%という小さな数値を
根拠に『デモに参加しているのはごく少数の人たちであり、共産党などの野党の動員に
すぎない』というイメージを強引に導き出したのが産経新聞の記事だ」と断じた。
「野党の動員」とは一言も書いていないが、そこは個人の推測の域だ。しかし、「3・4%」を
「大変な数字」とする一方で、「小さな数値」とはどういう了見だろうか。
「3~4ポイントの誤差が生じる」ならば、そもそも「大変な数字」と指摘すること自体が矛盾している。
毎日新聞の世論調査のサンプルはきっと万単位なのだろうと思って調べたら、
9月19、20両日に実施した世論調査は「有権者のいる1688世帯から、
1063人の回答を得た」という。毎日新聞の世論調査は「3~4ポイント」の
数値は意味がないと自ら宣言していることになる。
安保法成立後に実施したこの毎日新聞の世論調査で、安倍内閣の支持率は
「8月の前回調査より3ポイント増の35%、不支持率は同1ポイント増の50%」
だったという。毎日新聞をはじめ朝日新聞や東京新聞、一部の民放は必死に安保法案反対の
キャンペーンを行ったが、それでも内閣支持率は上昇していた。
「毎日新聞などがあれだけ法案反対を訴えた中でも内閣支持率は上昇したのか」と
受け止めるのが普通の感覚だと思うが、毎日新聞にとって「3~4ポイントは誤差」
なのだから、見出しに取るはずがない。 >>2へ続く
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