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★日本は韓国より危険? 金融市場はまたも無視-S&Pの国債格下げ
2015/09/18 11:01 JST
(ブルームバーグ):米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は日本の
格付けを引き下げ、今週初めて韓国を下回ったが、市場は気にかけていないようだ。
日本国債を5年間保証するドル建てのクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の
保証料率(スプレッド)は格下げがあった16日まで3日連続で低下。年初来の低下幅は
先進国で2番目に大きい。S&Pが15日に「AA-」へ格上げした韓国のCDSスプレッドは
日本より高く、両国の格差は先月下旬に約3年2カ月ぶりの水準まで拡大した。
S&Pは日本を上から5番目の「A+」に下げた。日本経済が信用力を支える効果が過去
3-4年にわたり弱まり続けており、安倍晋三内閣の経済活性化策が今後2-3年で悪化を
反転させる可能性は低いとした。しかし、直後の海外市場で日本のCDSスプレッドは低下。
17日の東京市場では国債利回りが下がり、日本株は上昇した。
みずほ証券の末広徹マーケットエコノミストは「安倍内閣は財政健全化も成長重視で進める
方針なので、成長見通しが悪化したから財政再建も怪しくなるという言い分には一理ある」
と指摘。ただ、国債市場への影響は「いつものように、ほとんどない」とみる。
「格付け会社は異次元緩和による巨額の国債買い入れといった需給面の事情は考慮せず、
まじめにマクロ分析して結論を出す傾向がある」と言う。
長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは1月に0.195%と過去最低を記録。安倍首相の
消費増税先送りを受け、ムーディーズ・インベスターズ・サービスが昨年12月に格下げに
踏み切ったが、市場に無視された。4月末にはフィッチ・レーティングスも格下げしたが、
金利は翌日に低下。米独金利の上昇を受けて6月に0.545%に上昇したが、先週11日には
約4カ月半ぶりに0.345%まで下げた。
■韓国は格上げ
日本国債の格付けはS&P、ムーディーズ、フィッチの米欧大手3社全てで「シングルA」
格となった。財務省は17日、ブルームバーグの取材に対し、民間格付け会社による格付けや
分析・評価の内容について、逐一コメントすることは差し控えたいと回答した。
国債・借入金・国庫短期証券(TB)を合わせた国の債務残高は6月末に1057.2兆円と過去最大を
更新。国際通貨基金(IMF)は日本の名目国内総生産(GDP)に対する政府債務残高の比率が
今年は246.2%と予測。来年から少なくとも5年間は最悪を更新し、20年には251.6%に達すると見込む。
それでも、日本のCDSスプレッドは16日に36ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と
年初来31bp低下。S&Pが15日に「AA-」へ格上げした韓国は63.5bpと年初来9.2bp上昇した。
IMFは同国の政府債務残高の対GDP比が今年36.9%と日本の約7分の1で、20年にも37.8%に
とどまると予想。10年債利回りは17日に2.45%だった。
S&Pは韓国の格付けを「A+」から1段階引き上げた。今後3-5年にわたり、多くの先進国を
上回る経済成長を維持すると予想。対外的な金融環境が顕著に悪化するリスクも一段と遠のいたとした。
同国の企画財政省は声明で、新興市場をめぐる不確実性を背景に格下げが増えているのを考慮すると
格上げは非常に有意義だと歓迎した。
KEBハナ銀行のソ・ジョンフン氏(ソウル在勤)は、韓国経済は多くの新興国より良好だと指摘。
日本は依然としてアジアで唯一の先進国だが、重い公的債務が長期的な問題だと述べた。
市場関係者は韓国の実質GDPを7-9月期に前年比2.4%増と予想。日本は前期比年率1.3%増の
見通しだが、中国の人民元切り下げを受けた世界的な市場の混乱もあり、マイナス成長が続くとの見方もある。
(以下略)
URLリンク(www.bloomberg.co.jp)