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★【関西の議論】「ファッショ! 独裁や!」時代錯誤のヤジが渦巻く教科書採択 「人権上の配慮欠く」?いわれなき中傷で育鵬社外し
2015.9.14 11:00
「ファッショ! 独裁や!」「裏切り者の教育委員長。あんたは東大阪の教育を殺すんや!」。
傍聴席から激烈なヤジが飛んだ。大阪府東大阪市で7月に行われた中学校教科書(平成28~31年度)
の採択をめぐる一幕だ。市教委が公民分野で育鵬社(東京)の教科書を選んだことで、
会場に詰めかけた反対派住民らによる騒動が起きた。教育委員が話し合って決めたことが、
なぜ「独裁」呼ばわりされるのか。採択までの経過をたどると〝異常〟ともいうべき、
育鵬社外しの動きが浮かび上がった。
■カギ握る「選定委」
東大阪市の教科書採択で鍵を握るのが、教育委員会に先立つ「選定委員会」の存在だ。
市教委事務局、現職の学校長、教員、保護者代表の計12人で構成され、
各教科書の善しあしについて話し合う。この選定委の段階で分野ごとに、
それぞれ3社に絞り込んだ答申をまとめるのが慣例となっている。
本来、採択権者(東大阪の場合は、教育長と委員長を含む4人の教育委員)の判断を縛るような
文書を出すことは禁止されている。これまで現場の教員らの意向を追認する傾向が強かった
教科書採択手続きの公正確保に向けて、文部科学省は今年4月、事前の「絞り込み」を
禁止した文書を各教委に通知していた。
このため、市教委は「(選定委の)答申に法的拘束力はない」としてあくまで参考資料という
位置付けを強調している。しかし、答申の3社に入っていない教科書が採択されることは
過去の実績に照らしてほとんどない。それだけ答申の存在は重い。
■意外な〝前哨戦〟
育鵬社は、教科書の自虐的な歴史記述を批判してきた扶桑社の事業を継承し、平成19年に設立された。
「日本教育再生機構」のメンバーらが執筆した中学歴史・公民の教科書を発行している。
歴史では、先の大戦について、欧米による植民地支配からのアジア解放という側面も紹介。
初期の旧日本軍の勝利でアジアの人々が独立への希望を抱くようになったとする一方、
中国や東南アジアなどで多くの犠牲者が出たことを記している。公民では伝統的な家族観や
日本の領土についても詳述するなど、いずれも多面的な内容が特徴だが、「戦争美化」などと
いわれなき中傷にさらされてきた。
東大阪でも、前回採択で初めて育鵬社が選ばれると市教組などが強く反発。
今回は育鵬社阻止を掲げる市民団体も登場し、市教委に不採択を働きかけた。
こうした状況下で選定委が開かれたのは5月12日と6月23、26日の計3回。公民分野をめぐる
激しい攻防が繰り広げられたのは2回目と3回目の会合だ。市が公開した議事録をもとにやり取りを再現する。
6月23日の第2回会合。意外なことに公民の〝前哨戦〟となっていたのは、
育鵬社が教科書を発行していない地理の分野だった。
この日は数学に続く2番目に地理の協議があった。ここで選定委の委員長を務める市教委の
植田勝教育次長が、A社(議事録上は実際の出版社名)の教科書について「人権的な視点から
見て外すべきだ」と切り出したのだ。植田次長の発言を引用してみよう。
「A社は災害の部分で、できれば東大阪から外したほうがいいのではないかというところがあります。
『釜石の奇跡はなぜ起こったのか』と書かれているのですが、(中略)今、『釜石の奇跡』という言葉を
釜石市は使いません。『釜石の出来事』に変えてほしいということで、今、