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★在留カード偽造横行 失踪外国人所持、県内で摘発増
2015年08月20日10:14
◆中国に工場、ネット取引
日本に不法残留する外国人の間で、法務省が3年前に導入した身分証「在留カード」の偽造が
横行している。在留資格を失った後も日本で働き続けるため密売人から入手していた。
偽造カードを所持していたなどとして、入管難民法違反で摘発された外国人は昨年、
全国で122人と前年比1.6倍に増加。岐阜県内では実習先を失踪した外国人が所持する
例が目立ち、岐阜県警が今年5~7月に逮捕した6人はいずれも元技能実習生だった。
実習期間は最長で3年間と定められている。偽造カードには、在留資格欄に就労に制限がない
「永住者」と記していたケースが多かった。働き口を見つけたり、アパートを借りる時に
提示しているとみられる。
◆「氷山の一角に過ぎない」
一見して偽物とは分からないほど精巧に作られている。正規カードと違いICチップが
入っていないが、警察の捜査や空港の検査でないと見破れない。
岐阜県警は5月から3カ月間で偽造カードを所持や行使した6人を逮捕。
昨年は1年間で1人だった。県警は「氷山の一角に過ぎない」(捜査関係者)とみている。
捜査関係者などによると、偽造カードの密売人は中国人が多く、製造工場の大半が中国に
あることを突き止めた。偽造カードと偽造旅券(パスポート)を合わせて販売しており、
相場はセットで5万円。インターネットを通じ注文すると、間もなく郵便で届く仕組みだった。
県警が逮捕した6人の国籍は、中国人4人、インドネシア人2人。逮捕されたインドネシア人の
一人は「中国人に頼んだ」と供述した。以前は中国人の間で闇取引されていたが、
他国の外国人にも広がった可能性があるとみて捜査している。
◆購入者「簡単に入手」
実習先を失踪した元外国人技能実習生は、偽造された在留カードをインターネットで注文して
簡単に手に入れていた。現行カード導入前の外国人登録証明書も、同じ手口で密売されていた
と捜査関係者は指摘する。岐阜市や関市で働いていた中国人の男性(37)が、本紙の取材に
偽造証明書を手にした経緯を詳細に明かした。
「在留期限が切れた後も、仕事をしたければ紹介する」。「王」と名乗る見知らぬ男に声を
掛けられたのは2011年2月、電車に乗っていた時のことだった。電車内で連絡先を
交換するだけして別れた。
技能実習生として働いていたのは、愛知県稲沢市のコンクリート製品製造会社。
実習期限が迫るにつれ、「もっと日本で金を稼ぎたい」と思い始めるようになった。
病気がちの両親の治療費を一手に引き受けていたからだ。
帰国の約2カ月前、王に電話。説明を受けた通りに、携帯電話から中国語のチャットサービス
「QQ」にアクセスし、外国人登録証明書と旅券(パスポート)の偽造を依頼した。
◆仲介者に5万円、2週間で郵送
待ち合わせ場所の路上に自転車で現れたのは中国語を話す若い男だった。
5万円と顔写真を渡した上で、偽造証明書には就職に有利になるよう年齢を8歳若く偽り、
在留資格欄には「永住者」と記載するよう頼んだ。約2週間後、実習先の寮に中国から
国際スピード郵便(EMS)で「荷物」が届いた。
帰国前日の夜。相部屋で寝る中国人2人に気付かれないよう、貴重品だけを手に寮を飛び出し、
迎えに来た王の車に飛び乗った。
王があっせんした岐阜市の解体業者で働き、その後関市の廃棄物処理業者に転職。
実習生当時と比べると手取り収入は2~3倍に増えた。家族に月に10万円を送る一方、
貯金は200万円たまった。
「もう少しためたら中国に帰ろう」。そう思っていた今年2月、不破郡垂井町内で
警察官に職務質問され、不法滞在が発覚、逮捕された。
関市の廃棄物処理業者の社長は、男性が不法滞在者だったことを知り、驚いた。
所持していた外国人登録証明書と旅券は「本物そっくりだった」。
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