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こども版
★韓国は「抗日戦争」に勝利したの?
2015年08月17日23:20 池田 信夫
中国政府は、来月やる「抗日戦争勝利70周年」の軍事パレードに、韓国の朴槿恵大統領を
招待していますが、彼女はまだ参加するかどうか決めかねているようです。
それはそうでしょう。韓国人は、「抗日戦争」で中国を侵略した日本軍の側だったからです。
日中戦争には(朴大統領のお父さんを含めて)24万人の朝鮮人が志願兵として参加し、
そのうち2万人あまりの死者が靖国神社にまつられています。朴大統領は中国に行って
「われわれの先祖が中国を侵略したことは申し訳ない」とおわびでもするんでしょうか。
それより現実的なリスクが、韓国にはあります。北朝鮮の政権はいつ崩壊するかわからない
状態で、そのとき「第2次朝鮮戦争」が起こる可能性もあります。1950年代の朝鮮戦争で
韓国人を数十万人殺したのは、中国なのです。
中国が圧倒的な軍事的優位を背景にして、香港のような形で朝鮮半島を支配する
可能性もあります。19世紀まで朝鮮半島は500年間、中国の支配下に置かれていたので、
同じ儒教国として文化的な親和性は高いでしょう。
冷戦時代の「資本主義と社会主義」という対立はもう過去のものです。
中国も経済は資本主義なので、韓国とあまり変わりません。それよりも大きな問題は、
国際秩序についての考え方の違いです。
ヨーロッパやアメリカでは、何百年も戦争を繰り返した末に、戦争は(理由を問わず)
すべて違法だというルールをつくりましたが、日本は1930年代にそれを壊して自滅しました。
安倍首相が8月14日の談話で、日本が「国際秩序への挑戦者となってしまった」と
反省したのは、そういう意味です。
中国の国際秩序についての考え方は、そういう西洋的なルールとはちがい、中国が世界の
中心で他の国はそれにしたがう冊封秩序というものです。いまだに「歴史問題」で日本に
謝罪を求めているように、正しい国が悪い国を征服する戦争は正しいと考えています。
この点も韓国と似ています。
だから朴槿恵大統領が考えるべきなのは、慰安婦問題などという昔話ではなく、
これから中国の脅威をどうするかという問題です。その際、アメリカの支援は不可欠です。
1950年にアメリカの国務長官が「アメリカの防衛ラインは日本までだ」と発言して韓国を
除外したことが、北朝鮮が開戦する原因になったといわれています。
韓国が中国に接近してアメリカとの関係をこじらせると、東アジアの情勢は不安定になり、
その影響は日本にも及びます。朝鮮半島の「有事」を抑止する米軍の活動を集団的自衛権で
支援することは、日本のためでもあるのです。
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