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★【外信コラム】有事を想定した中国の「国防動員法」 口先だけで平和は守れない
2015.08.17
集団的自衛権の限定的行使を容認する日本の安全保障関連法案の審議はなお続いているが、
「有事」を想定した中国の法整備は、一歩も二歩も進んでいる。
５年前に施行ずみの「国防動員法」もその一つだ。
マレーシアを拠点に経営コンサルティング業務を手がけるエリス・アジア事務所の立花聡代表は、
「中国がひとたび『有事』と判断すれば対中進出した日系企業も含め、中国のあらゆる組織の
ヒト・カネ・モノの徴用が合法化され、戦時統制下におくことができる法律だ」と警告している。
例えば第５４条。「備蓄物資が国防動員の需要を延滞なく満たすことができなくなったときは
民生用資源を徴用できる」といい、社用車やパソコンなど企業や個人の資産が召し上げられるかもしれない。
立花氏は、インターネットなど通信手段の全面遮断や、国際線航空便の運航停止、
在留外国人の預金引き出し禁止など資産凍結が法的に可能とみて、対中進出している
日系企業に対しリスク管理を訴えている。万一、東シナ海で日中間に偶発的な衝突が起きた場合、
日本人駐在員やその家族が出国できない事態も排除できないという。
口先で「平和」を唱えるだけでは決して「平和」は守れないことを、
中国が先行して教えてくれているではないか。（河崎真澄）
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