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★オバマ政権は70年談話に「お詫び」を求めていない
謝罪要求の圧力は存在せず、政権当局者の定例会見で明らかに
2015.8.11(火) 古森 義久
安倍晋三首相がまもなく発表する戦後70年談話で、日本の過去の行動への
謝罪(お詫び)が明確に含まれるかどうかが焦点となっている。
だが、米国のオバマ政権は、「反省(Remorse)」の表明は期待はしても「謝罪(Apology)」
の具体的な表明は求めてはいないことが、同政権当局者の8月7日の発言で明らかになった。
中国や韓国、そして日本の一部では、「米国政府が安倍首相の謝罪表明を求めている」
として圧力をかけているが、どうも実態は異なるようだ。
■「首相の発言を予断することはしない」
8月7日の定例会見におけるオバマ政権のマーク・トナー国務省報道官の発言を、
質疑応答の原文のまま紹介しよう。政権全体の対外的な公式見解は、
この国務省での報道官の発言に代表される。
戦後70年談話について質問したのは米国人記者だった。
記者 「国務省当局は安倍首相が謝罪を述べることが必要だと考えていますか。
それとも反省を表明すれば十分だとみなすのか。ダニエル・ラッセル国務次官補は
7月21日に、ある趣旨の言明をしていますが」
報道官 「どんな趣旨の言明だったのですか」
記者 「反省を表明すれば十分だという趣旨でした」
報道官 「私は彼(ラッセル次官補)の発言の記録はいま持っていません。
以前にも述べたように、私たちは安倍首相のここ1年ほどの前向きな発言を歓迎しています。
今回、首相が何を述べるのか、述べないのか、ここで私があれこれ予断することはしません」
この部分を聞く限り、トナー報道官は安倍首相に謝罪表明を求めるというような意図は
ツユほどもにじませていない。むしろ、そんなことは求めないという感じだと言えよう。
■日本は何を訴えるべきか
この質疑応答に出た、ラッセル国務次官補の言明について説明しておこう。
日本を含む東アジア・太平洋担当のラッセル次官補は7月21日、ワシントンの大手研究機関の
戦略国際問題研究所(CSIS)主催の大規模なシンポジウムで講演し、その直後に報道陣の
質問に答えた。シンポジウムの主題も同次官補の講演の主題も、南シナ海での埋め立て
など中国の海洋進出だった。
報道陣からの質問の中に「オバマ政権は安倍首相の70年談話に何を期待するか」という
問いがあり、ラッセル次官補は次のように答えた。
「私たちは日本の(安倍)首相に、前任者たちと同様に第2次大戦での出来事に対して
反省の気持ちを表明する方法を見つけることを期待しています。日本の政府も国民も、
その反省の気持ちを実際に感じ、明示してきたことを私は知っています」
「しかし同時に、首相がすでにそうしたように、日本が過去70年の間、アジア地域の平和や
国際的な秩序、さらには経済や文化に貢献してきた輝かしい実績を訴えることを期待しています」
ラッセル次官補のこの言葉は、安倍首相の4月末の米国議会での演説を、明らかに念頭に
置いていた。この演説で首相は、過去の日本の行動への反省と戦後の平和への貢献を強調した。
そこには謝罪はなかった。ラッセル氏は「安倍首相がすでにそうしたように」という表現で、
その議会演説の内容への賛意を述べた。「謝罪」や「お詫び」の表明は求めなかったのである。
韓国の国際放送「アリラン・テレビ」は、このときのラッセル氏の言葉を曲解して
「安倍首相に明確な謝罪の表明を求めた」などという報道をしていた。だが、8月7日の
国務省会見では、質問者の米人記者は上記のラッセル発言を「謝罪までは求めない」
という正しい趣旨で解釈し、報道官への質問に使ったわけである。 >>2へ続く
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