【社会】日本ではなぜ安全保障政策論議が不在なのか 細谷雄一 [08/01]at NEWSPLUS
【社会】日本ではなぜ安全保障政策論議が不在なのか 細谷雄一 [08/01] - 暇つぶし2ch1:◆CHURa/Os2M@ちゅら猫φ ★
15/08/01 13:17:57.12
★日本ではなぜ安全保障政策論議が不在なのか
2015年07月31日(金)19時00分 細谷雄一

なぜこうなってしまったのか。実に奇妙な事態になってしまった。
これほどまで熱く平和が語られ、これほどまで厳しく政府への批判がなされる中で、
日本が選択すべき安全保障政策についての具体的な提案や主張がほとんど見られないのだ。

安全保障政策の選択を間違えれば、その国の安全は崩れてしまい、国民の生命を守ることはできない。
国際政治の歴史をこれまで研究し、また大学で教える立場にある者として、歴史上多くの国が
安全保障政策の選択を間違えたことで、国民の生命を犠牲にして、不毛な戦争を招いてきた
ことを学んできた。経済政策を一つ間違えても国が滅びることはあまりない。しかしながら、
安全保障政策の一つの誤りが、国家の存亡に直結した例は溢れている。

(中略)

これほどまでに抽象的な平和を説くことに熱心で、これほどまでに他国の平和を
実現することに無関心な国民も世界ではほかにいないのではないか。

今、官邸や国会の周辺で安保法制案に反対する人々は、実際に戦闘が行われているウクライナ東部や、
「イスラム国」の攻撃を受けているシリアにおいて、具体的にどのような措置を執ることで戦闘が
終わるのか提案をすることを、なぜしないのだろうか。国際社会でそれらの安全保障問題について
どのような討議が行われて、欧米諸国の政府の間でどのような協議が行われているのか、
なぜ学ぼうとしないのだろうか。自分たちが戦争に巻き込まれるのはいやだけれども、
他国民の命がどれだけ失われても自分たちには関係がないと考えているのだろうか。

戦争を憎み、平和を愛する点において、私は安保法制案に反対してデモをする人々と理念を
共有している。しかしながら、平和を実現するためにどのような措置を執るべきかについて、
そしてどのような安全保障政策を選ぶべきかというアプローチにおいて、私はおそらく異なる
考えを持っている。私は平和を破壊して、他国を侵略する行為に対して、自国民の生命を
守るために自衛的措置を執ることは必要だと考えているし、それは個別的であっても集団的
であっても同様であると考えている。また、そのような侵略行為に対して、国際社会が国連
憲章第7章に基づいて軍事的強制措置を執り、平和を回復しようとすることを必要なことと
考えており、日本がそれに協力することも必要だと考えている。

安保法制に反対する人々の一部は、軍事的な手段を嫌い、それゆえに日米同盟を解消して、
自衛隊を廃棄することが望ましいと主張している。そして、国連憲章51条で保証されている
個別的および集団的自衛権を「悪」として考えて、また国連憲章第7章で規定されている
「平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為に関する行動」としての軍事的強制措置を、
拒絶している。あらゆる紛争が、対話のみで解決可能と考えているからだ。それは、現実に
紛争が溢れている世界において、平和を維持するために世界各地にPKO部隊を派遣して
いる多くの諸国に共有される正義とはいえない。

今回の安保法制案をめぐる議論で、もっぱら抽象的な平和主義ばかりが聞こえて、具体的な
政府案に変わる望ましい安全保障政策の具体像がほとんど見られないことは、不幸なことである。
政府案が常に正しいわけではない。だからこそ、それに替わる選択肢を示すことが必要なのだ。

他国が侵略をされて、日本政府へと救援を求めてもそれを無視すること。国際社会が結束して
侵略行為を阻止しようと行動をとるときにそこから離れていること。それは本当に、日本国
憲法がそもそも想定していた理想なのであろうか。自国の安全以外にまったく関心を持とう
とせず、国際社会で侵略行為がなされていてもそれを傍観するエゴイズムとシニシズムは、
実は戦前の日本国民が抱いていた国防観とおどろくほど似たものであることに気づいてほしい。

URLリンク(www.newsweekjapan.jp)


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