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★暴落上海株への露骨介入にIMFが引導 習政権の野望「人民元の国際化」遠のく
2015.07.29
中国・上海株式市場が下げ止まらない。28日の総合指数は1・68%安と続落。
29日午前も小高く始まったが、一時マイナスに転じるなど不安定だ。
「先進国では考えられない」(外資系金融機関)という習近平政権の露骨な
買い支えに、国際通貨基金(IMF)が引導を渡した形だ。
中国当局による株価下支え策や金融緩和策は、多くが週末に発表されてきた。
だが、中国当局は先週、IMFから株式市場への介入をこれ以上行わないよう
警告を受けていたため身動きが取れず、週明け27日の大暴落を招いた。
あわてた証券監督管理委員会は「『国家隊』(政府の株価対策)が撤退する-。
そんな報道は完全に事実と異なる」との声明を公表したが、投資家の不安は拭えない。
中国当局がIMFの警告を無視できないのは、人民元の国際化という野望を実現
するためだ。習政権はIMFに対し「特別引き出し権(SDR)」の構成通貨に
人民元を採用するよう強く求めている。金融危機などの緊急時に外貨が足りなく
なった加盟国は、SDRと引き換えに必要に応じて資金を引き出せる仕組みだ。
SDRの構成通貨となることは、IMFから国際通貨として“お墨付き”を
得るのと同義といえる。
5年前の構成通貨の見直し作業では人民元の採用は却下された。今回の見直しでも
IMFは理事会で採用の是非を議論するとみられるが、政府が金融市場への過剰な
介入をやめるのが事実上の条件になっている。
中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は4月に人民元のSDR組み入れに向け
「(金融の)改革を加速する」と強調。人民銀はこれまで、金利や為替相場の
自由化に向けた措置を徐々に打ち出してきた。
しかし、株価暴落に焦った習政権は、先進国では考えられない強引な株の買い支え
策を打ち出して馬脚をあらわした。ロイター通信によると、中国証券監督管理
委員会は28日には、前日の中国株急落について調査を進めていることを明らか
にした。国内メディアの多くは、売買シェアが小さい外国政府や機関投資家などが
空売りを仕掛けているという的外れな見解を示している。
市場関係者は、「中国当局と人民銀行は株安と物価を両にらみしながら、
IMFの顔色もうかがわねばならない」と指摘するが、中国市場も人民元も
国際標準からほど遠いことは間違いない。
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