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★【野口裕之の軍事情勢】「憲法9条の奴隷」が国会で披露した新説
2015.7.27 06:00
勤め先に飼い慣らされ、自らの意思と良心を放棄し奴隷=家畜と化したサラリーマンを「社畜」と呼ぶが、
平和に飼い慣らされ、憲法第9条の奴隷と成り果てた学者・政治家もいる。研究一筋で世情にうとく、
常識に欠ける学者を「学者バカ」と呼ぶが、現実の安全保障空間を直視せずに、または意図的に無視し、
自らの政治思想に学理を無理に合わせているのなら「曲学の徒」ではないか。
■韓国のベトナム派兵引用
民主党の「御用学者」ともいわれる法政大学の山口二郎教授(57)は7月13日、
衆議院平和安全法制特別委員会の中央公聴会で自説をぶった。
「戦後日本が他国の戦争に巻き込まれずに済んだのは日米同盟のおかげではなく、
憲法9条で集団的自衛権行使を禁止していたからだ」
その上で“具体的メリット”を披瀝した。「ベトナム戦争(1960~75年)で韓国は、米韓相互防衛条約に
基づき出兵を求められた。集団的自衛権の行使を否定していた日本は、ベトナム派兵など考慮する必要もなかった」
韓国のベトナム派兵に、全く違う認識を抱く小欄には大変勉強になった。小欄の認識は-
(1)韓国は条約上、完全な強制義務を負ってはいない。
→米韓相互防衛条約は、主に北朝鮮・太平洋地域をにらむ。韓国・南ベトナム間にも本格的同盟関係はない。
さらに、豪州/ニュージーランド/フィリピン/タイなど反共産主義同盟SEATO(東南アジア条約機構)の
一部加盟国は、米国の要請でベトナム戦争に参戦したが、韓国は加盟していない。
(2)参戦は韓国の自発的要請。米国は当初要請を受け入れず、後に段階的派兵を容認した。
→米国の対韓軍事・経済援助が減少、外貨不足も深刻だった。クーデターで発足した朴正煕(パク・チョンヒ)政権は、
経済成長による政権の正統性確保が不可欠だった。米国は外貨補填+軍事費+韓国軍将兵の戦闘手当支給
などで協力。将兵や道路・港湾建設労働者は手当・給金の大半を母国送金し、総額は巨額に達した。
結果、ベトナム特需が起き、韓国財閥は発展の基を固めた。
(3)北朝鮮に備えた在韓米軍の朝鮮半島貼り付けは国運を左右した。
→在韓米軍の戦力がベトナムに転用されれば、半島の対北戦力が激減する。
(4)共産主義国家・北朝鮮による思想浸食を牽制すべく、共産主義国家・北ベトナムに対する断固たる姿勢が必要だった。
(5)朝鮮戦争(1950~53年休戦)で弱さを自覚した自国軍の強化と近代化に向け、実戦教育を積ませた。
■集団的自衛権の解釈幅
前述した「集団的自衛権の行使を否定していた日本は、ベトナム派兵など考慮する必要もなかった」という、
ベトナム戦争と集団的自衛権との関係にしても小欄の認識とは異なる。《ベトナム戦争激化は、自衛隊派遣を
懸念する世論におもね、膨張する革新政党との無難な国会運営に引っ張られた自民党政権が、集団的自衛権の
解釈幅を狭め始める起点となった》と改めるべきだ。
集団的自衛権は全面的に否定はされていなかった。むしろ現在、安倍晋三政権が国会で説明する
《限定的容認》は長い間、政府見解であり続けた。例えば、1960年の法制局(現・内閣法制局)長官答弁。
「密接な関係のある他の外国が武力攻撃を受けた場合(略)外国へまで行ってそれを防衛する(略)
ことがいわゆる集団的自衛権の内容として特に理解されておる。この点は(略)憲法ではやはり認められていない」
以上は、安倍政権も国会で繰り返し説明している主旨だが、以下の長官答弁もまた、安倍政権の主張と同一線上に在る。
「安保条約におきまして、米国に対して施設区域を提供致しております。(略)米国が他の国の侵略を受けた場合に、
これに対してあるいは経済的な援助を与えるようなこと(略)を集団的自衛権というような言葉で理解すれば、
こういうものを私は日本の憲法は否定しておるものとは考えません」 >>2へ続く
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