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★【ｉＲＯＮＮＡ発】河野談話 河野洋平氏はなぜ上から目線なのか 筆坂秀世氏
2015.7.26 17:00
先月９日、河野洋平元官房長官と村山富市元首相がそろって公の場に現れた。
安倍晋三政権批判を繰り返しただけでなく、過去にそれぞれが出した談話をたたえ合う一幕も。
そもそも、韓国に最大限譲歩した平成５年の「河野談話」で日韓関係は良くなったのか。
河野談話の功なき罪を考える。（ｉＲＯＮＮＡ）
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河野氏と村山氏の「上から目線」の発言が止まらない。安保法制をめぐり、３人の憲法学者が
集団的自衛権の行使について、「違憲」だと発言したことに勢いを得ているかのようだ。
６月の記者会見で、村山氏は「河野談話発表後、日韓関係は前進していたのに、現政権が寝た子
（韓国）を起こした」と発言したという。事実誤認も甚だしい。民主党政権の首相だった
野田佳彦氏は、昨年８月に自身のブログで、そのことをはっきり証言している。
野田氏が平成２３年１２月に李明博（イ・ミョンバク）大統領と会談した際、李大統領は
時間の大半を費やして慰安婦問題の解決を求めてきたそうである。これに対して野田氏は、
昭和４０年の日韓請求権協定によって法的には完全に決着しているという態度を貫いたという。
その上で、野田氏は「両国関係の悪化は残念ながら野田政権のときから始まっていました。
そのとき、日本は右傾化していたのでしょうか。むしろ、ナショナリズムとポピュリズムを
連動させる動きが韓国側から始まったと見るべきでしょう」と指摘している。
■３つの論点
野田氏の見立ては正しい。そもそも「河野談話」によって日韓関係が改善した事実があるのだろうか。
「河野談話」は表向きには日本政府が自主的に、独自の判断で作成されたものとなっている。
だが、実際には「河野談話」の文言について、韓国側との緊密な協議が行われていたことが明らかになっている。
内閣官房と外務省によって設置された河野談話作成過程等に関する検討チームの報告書によれば、
韓国側との調整の際に主な論点となったのは、（１）慰安所設置に関する軍の関与
（２）慰安婦募集の際の軍の関与（３）慰安婦募集に際しての『強制性』－の３点であったということである。
この協議で、韓国側は慰安所の設置について、日本側が提示した軍当局の「意向」という表現に対して、
軍当局の「指示」という表現を求めてきたという。これに対して、日本側は「軍の『指示』は確認できない
としてこれを受け入れず、『要望』との表現を提案」しているが、最終的には「要請」になっている。
また、軍の関与についても「韓国側は『軍又は軍の指示を受けた業者』がこれに当たったとの文言を提案」
してきたが、日本側は「軍の『要望』を受けた業者との表現」を提示。最終的には「要請」ということで決着している。
ただ、慰安婦募集に際しての「強制性」については、強制連行を裏づける資料は発見されなかったにも
かかわらず、韓国側の意向を受け入れ、「甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた
事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担」という表現が盛り込まれた。
■ダメ押し発言
このように韓国側の意向を大きく取り入れて、軍による強制を強く示唆する内容で作成されたのが、
「河野談話」であった。３つの論点を見れば明白なように、韓国側がこの問題で最も重視したのが
「軍による強制」だった。「河野談話」は、この核心部分で韓国側に最大限譲歩し、慰安婦問題の
政治決着を図ろうとしたのである。
河野氏は談話を発表した際、強制連行を裏づける資料がなかったことに関連して、
「強制には物理的な強制もあるし、精神的な強制もある。精神的な強制は官憲の記録に残る
というものではない部分が多い」などと述べ、強制性にダメ押しする発言までして韓国側を
喜ばせた。だが、政治決着には至らなかった。
要するに「河野談話」は、日韓関係の改善どころか、「反日」の機運に火をつけただけなのである。
各地に慰安婦像が建てられているが、これは未来永劫（えいごう）、日本を貶（おとし）めよう
とするものである。河野氏はこれをどう思うのか。もしかして、河野氏は自宅前に慰安婦像を
建てられても結構だと言うのだろうか。
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